令和2年度 用地補償研修会 トピックス
事業用太陽光発電設備の調査算定について
このページは、用地補償研修会を受けられた皆様の便宜を図るため、講師が個人的に作成しました。問い合わせ電子メール:
kofuku(a)soukan.co.jp  (a)を@に書き替えてください(迷惑メール対策)。
深 謝
●株式会社 公共補償コンサルタント 代表取締役 花木 貴司様
(一般社団法人 日本補償コンサルタント協会九州支部 基準運用専門部会委員)
令和2年10月13日 鹿児島県伊佐市
花木委員個人所有の事業用太陽光発電設備(低圧連系出力50kW全量売電)を見学させていただき、画像をテキストに使用させて頂きました。
NPO環境カウンセリング協会長崎(E-CAN)
一般社団法人 おひさまNet長崎 屋根借り太陽光発電モデル事業
長崎市立高城台小学校・太陽光発電設備(低圧連系50kW全量売電)
●おひさまNet第1号 長崎市立高城台小学校発電所開所式
長崎市長、県環境部長、学校関係者、工事業者、自治会長らがテープカット おひさまNet長崎 宮原 和明 代表理事
(長崎総合科学大学 名誉教授)
平成26年9月1日 開所式に参加させていただき、太陽光発電設備を見学しました。
また、接続検討(事前検討)申込書など多くの資料をご提供頂きました。
テキスト作成にあたりご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます
トピックスその1 風力発電設備
写真1-1 ドイツ・ジントフェルト・パーキングエリア
高速道路のパーキングエリア脇に風力発電設備が林立しています。
写真1-2 風力発電機の内部構造 ベルリン・ドイツ技術博物館
左から、冷却器・変圧器-電力変換・制御装置(インバーター)-発電機-増速機-ローターなど
トピックスその2 環状交差点(ラウンドアバウト)
【出典】用地ジャーナル2018年(平成30年)6月号p.14
長所 ・事故の減少。特に負傷者の出る重大事故が減少。
・待ち時間及び二酸化炭素排出量の減少。
・災害時の対応力の向上(信号がないので停電でも影響なし)。
短所 ・総流入交通量10,000台/日以上には適さない。
・人は直進できず、大回りを強いられる。人の通行が多い交差点には適さない。
・用地を多く要する。
・環道には停車帯を設置しないので、環道に面する画地はみぞかき補償の可能性。
●環状交差点を疑似体験
ドイツには環状交差点が多くあり、撮りためたドライブ・レコーダー(以下「DR」という)の画像を切り出し、疑似体験を用意しました。なおドイツは右側通行なので、分かりやすいように左右反転して、左側通行風にしています。
写真2-1 環状交差点の航空写真 左右反転
まず航空写真です。場所は、ポーランドとの国境の町ゲルリッツ近郊の農村地帯。
国道6号線を左上から進み、三叉路の環状交差点を3/4回転して左折し、更に国道6号線を進みます。即ち国道6号線のL字カーブに、国道115号線が右上からタッチしています。環状交差点の手前に横断歩道があります。
写真2-2 前方に環状交差点 DR画像左右反転(以下同じ)
●行程1(14秒前)
前方に環状交差点が近づいてきました。左赤枠のように、三叉路です。これから右へ進みます。この時点の制限速度は時速70km。左前方にある環状交差点の速度制限標識は時速50kmと出ています。
なお日本の交通ルールでは、環状交差点の進行は「徐行」とあります。
ちなみにドイツ国道の標識はこの写真のように黄色で、法定制限速度は原則時速100km。高速道路の標識は青で、速度無制限区間が全路線の約半分。残り約半分が時速80km〜130km程度の制限区間です。
写真2-3 環状交差点を注視
●行程2(4秒前)
左赤枠下の右回り(時計回り)の青丸標識は、環状交差点を表し、上の逆三角形の標識は「譲れ」。即ち環状交差点を進行中の車が優先なので、右赤枠の2台の動きに注意します。
@1台目の白い車は、ウィンカーを点滅させているので環状交差点を出るようだ。
B2台目の黄色い車は、進行方向からして環状交差点を進行するようだ。
写真2-4 環状交差点手前の横断歩道に接近
●行程3(2秒前)
1台目の@白い車は環状交差点を出ようとしています。もし2台目のA黄色い車がいなければ、時速50kmで環状交差点へ進入できます。
環状交差点の手前に横断歩道がありますが、ここで人や自転車に出会うことはまずありません。ドイツでは人家から離れた交差点を選んで環状化している印象です。
写真2-5 環状交差点内の車の動きを注視
●行程4(1秒前)
1台目の@白い車は環状交差点を出て行きます。後は2台目のA黄色い車の動きを注視します。
写真2-6 環状交差点に進入
行程5(基準タイム0秒)
A黄色い車の後を追うように環状交差点へ進入します。一時停止も、ウィンカーも不要
ちなみに「ADAC Allgemeiner Deutscher Automobil-Club e.V.」は「ドイツ自動車連盟」で、日本でいう「日本自動車連盟(JAF)」に相当する組織です。
写真2-7 環状交差点を走行
行程6(2秒後)
A黄色い車は環状交差点を出ます。この先、私は優先通行で環状交差点を右回り(時計回り)に走行します。
写真2-8 環状交差点を出る準備
行程7(9秒後)
環状交差点を3/4周し、左ウィンカーを上げて左折の準備です。DRのカメラにフロントガラスが反射しています。ご了承ください。
写真2-9 環状交差点を抜ける
行程8(13秒後)
基準タイム0秒の行程5から13秒で環状交差点を抜け、引きつづき国道6号線を走ります。前振りの行程1から27秒でした。
まとめ
●環状交差点通過時の四つのポイント
・環道(交差点内)を進行中の車が優先
・交差点進入時は、一時停止、合図(左ウインカー)不要
・徐行して右(時計)回り
・交差点を出るときに合図(左ウィンカーを上げる)
環状交差点疑似体験動画
動画2-10 ゲルリッツ郊外の環状交差点を通過 DR動画左右逆転
●行程1の更に21秒手前から行程8の2秒後までの約1分のオリジナルのDR動画の左右逆転版です。
・複数台の車が一時停止することなく流れるように通り過ぎる様子をご覧ください。ナビゲーションの音声は「400m先の環状交差点を右折です。2番目を国道6号線に出ます。」とドイツ語で流れます(左右逆転して翻訳)。
・なお表示される時刻は日本時間です。現地での実際の走行時刻は、マイナス7時間で12時13分ごろです。
・経験則と交通の流れに沿って走行しています。ドイツの交通規則を熟知していないので、厳密には法令違反があるかもしれません。参考としてご覧ください。
西彼杵道路・大串ICが環状交差点だったら
長崎地域版はこちら
・環状交差点について、「もし西彼杵道路・大串ICが環状交差点だったら」という視点で、長崎会場向けに特別編集しました。ボタンを押して次ページへお進みください。
環状交差点について外部リンク
●国土交通省 ラウンドアバウト検討委員会
●国土交通省 ラウンドアバウトの現状
●ラウンドアバウト普及推進協議会について 安曇野市公式サイトより
●警察庁作成の環状交差点の動画 一般社団法人全国届出自動車教習所協会のサイト
環状交差点への改良事業で持続可能な開発目標(SDGs)に貢献
●目標9[インフラ、産業化、イノベーション]
・強靱なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
●目標11[持続可能な都市]
包摂的で安全かつ強靱で持続可能な都市及び人間居住を実現する
トピックス その3 曳家工事現場見学会
●平成17年度日本補償コンサルタント協会九州支部用地補償研修会(長崎・鹿児島地区)で上映した動画
・同長崎県部会補償実務研究会<曳家工事現場見学会>
協力:徳永組(長崎県諫早市)
・道路改良工事に伴う移転補償で曳家工法を採用し、実際に曳家。
・木造セメント瓦葺2階建 共同住宅 延べ約200u
・斜め曳き、途中仮置きして2工程
・RV車の前に設置されたウインチを巻き取って曳きます。そのままでは建物より車のほうが曳きずられるため、車の後ろにユンボ(バックホウ)を重しとしてつなげています。
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