Eine Deutschlandreise 2019 ドイツ旅行 (1/4)
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Inhalt 目次
1 Sachsen ザクセン
2 Der Harz ハルツ山地
3 Ruhrgebiet ルール地方
4 Gedenkstätte メモリアル
Überblick 概要
●中部ドイツをレンタカーで東から西へ横断する2週間の一人旅
●2019年春、ゴールデンウィークをはさみ単独で旅行しました。フランクフルト到着後、すぐにベルリンへ飛び、レンタカーでポーランドとチェコとの国境沿いまで行き、東から西へハルツ山地、ライン河畔などを回りドイツを横断、デュッセルドルフから帰国へ。
●旅程の大半は、一般的な観光ルートから離れ全く個人的な内容なので、観光案内としては役立ちません。
●掲載写真は特記なき限り自撮り。右は高速1号線Oberste Heide オーバーステ・ハイデPAで。
写真1-0-1
お断り
情報はドイツ語のウェブサイトなどからも仕入れています。固有名詞等、日本語の定訳と異なることがあるかもしれません。そのためできるだけドイツ語も併記しました。
趣味のドイツ語レベルなので、正確さは担保できません。その程度の語学力だとご勘弁を。
円表示は交換時のレート 約1ユーロ=128円で計算。
※印のリンクページは、別ウィンドウが開きこのサイトを離れます。
Reiseweg 行程
4/24 長崎~羽田
4/25 羽田~フランクフルトベルリンコットブス①バート・ムスカウ1泊 
4/26 バウツェンーゲルリッツ②ツィッタウ1泊 
4/27・28 ザクセンのスイス③モーリッツブルク2泊
レスニッツグルント鉄道、ピルニッツ宮殿
4/29・30 ハレアイスレーベン④ゲルンローデ2泊
ハルツ狭軌鉄道、ミッテルバウ=ドーラ強制収容所跡
5/1 バート・ミュンスターアイフェル⑤デュッセルドルフ1泊
5/2 ケルン・ボン近郊ドライブ⑥アッテンドルン1泊
5/3-5 エッセンデュイスブルクアウグストゥスブルク城⑦ケルン3泊 ドラマのロケ地探訪など
5/6・7 ヴッパータールドルトムントボーフム⑤デュッセルドルフ空港~成田~羽田~長崎
青は経由地赤は宿泊地緑は観光地など ドイツ地図
全て自前で組み立てた手配旅行
日本~ドイツ間の航空会社は乗り慣れてかつマイレージがたまる全日本空輸(ANA)。
ベルリンからケルンまで約2,200kmをレンタカーで走行。そのため、この旅行記に出てくる「車」は、全て今回借りたレンタカーを指します。
宿は事前に日本からネットでホテルやアパートホテル(注)を予約
注:アパートホテルとは日本ではやりの民泊に相当し、家具・電化製品付きのウィークリー・マンション感覚で、1泊単位で宿泊可。
サービスエリア:SA、パーキングエリア:PA、ガソリンスタンド:GS、ドライブレコーダー:DRと略します。キャプチャーして掲載したDRの記録画像に表示される日時は日本時間。現地時間はマイナス7時間。
1.Sachsen ザクセン
●3便を乗り継いでベルリンへ。長崎~羽田~フランクフルト~ベルリン
・4月24日(水)17時過ぎ、定時で仕事を終えると、そのままリムジンバスで長崎空港へ。
・18時55分羽田へ向けANA便で出発。
・約3時間半の乗り継ぎを経て、日付が変わった25日(木)午前0時過ぎANA便でフランクフルトへ出発し、同日午前5時半前に到着。
・更に2時間半後にルフトハンザ便で1年ぶりのベルリンへ。
・ベルリンではレンタカーを借り、Cottbus コットブスを経由して、【世界遺産】Bad Muskau バート・ムスカウまで約170km走り、同地の宿到着は15時頃の予定。
到着地ベルリンの25日の天気予報は晴れ。予想最高気温25度、最低気温14度。長崎の天気予報は曇り、最高気温22度、最低気温18度。信じられないことにベルリンは長崎より暑く、長崎の5月下旬~6月上旬頃の気候。
1-1 Bis Berlin ベルリンまで
1-2 Cottbus コトブス
1-3 Kulturhotel Fürst Pückler Park ピュックラー公爵公園文化ホテル
1-4 【世界遺産】Muskauer Park ムスカウ公園
1-5 Bautzen バウツェン
1-6 Görlitz ゲルリッツ
1-7 Zittau ツィッタウ
1-8 Berggasthof Koitsche コイチェ山荘
1-9 Sächsische Schweiz ザクセンのスイス
1-10 Festung Königstein ケーニッヒシュタイン要塞
1-11 Loschwitzer Brücke ロシュヴィッツァー橋
1-12 Eisenberger Hof アイゼンベルガー・ホーフ
1-13 Lößnitzgrundbahn レスニッツグルント鉄道
1-14 Schloss & Park Pillnitz ピルニッツ宮殿
1-15 Schloss Moritzburg モーリッツブルク城
1-16 Nachwort あとがき
1-1 Bis Berlin ベルリンまで
●旅立ちは長崎空港から
写真1-1-1 長崎空港で搭乗便 写真1-1-2 羽田空港国内線ターミナル
終業17時15分を待って会社を飛び出しました。大波止バス停に向かったら、信号待ちで停車していた17時18分の空港行きバスに乗車(予定は10分後の17時28分のバス)。空港着は18時過ぎ。搭乗券は事前に発券していましたが、羽田空港の国内線ターミナルから国際線ターミナルへの連絡バス券をもらうため手続します。荷物は8.5kgのリュックサック一つ。 預けませんでしたが、結構重いので預けるべきだったかな。搭乗まで時間がありますが、ぐったりして食べる気分になりません。
左:搭乗便は羽田混雑で出発が10分ほど遅れて飛び立ちました。
右:羽田到着はほぼ定刻。国際線乗り継ぎへ向かったのは一人。連絡バスも二人だけ。
写真1-1-3 羽田空港国際線ターミナル はねだ日本橋
2014年から6年連続で羽田空港国際線ターミナルからドイツへ行っていますが、ターミナル内にある「はねだ日本橋」をやっと見ることができました。全長25m総檜造りの本格的な作り。
出国検査は自動化による顔認証でした。希望者には別途出国印を押してくれます。
写真1-1-4 羽田空港国際線ターミナル 写真1-1-5 夕食その1
時刻は22時前、搭乗口へ。夜景が幻想的なエプロンや飛び立つ飛行機を眺めながら遅めの夕食。さっそくビールとソーセージで「ドイツバージョン」
写真1-1-6 夕食その2 写真1-1-7 搭乗便
左:まだ食べ足りなくて、2回目の食事。これならラウンジがお得だけど、オンラインチェックインが済むと予約できず、タイミングが悪かった。
右:日付が変わる頃搭乗。乗って暫くするとスナック程度の食事があり、その後座席のディスプレイで、グリーンブック(米2018)やボヘミアンラプソディー(英米2018)をドイツ語吹替え、日本語字幕で見ました。12時間の夜行便では、できるだけ寝ると翌日の行動が楽。この便は2015年に続いて2度目。フードを被り、背中にクッションを置いて足を伸ばし、加えてノイズキャンセリングヘッドホンの絶大な効果もあって、前回より寝ることができました。エコノミークラスの涙ぐましい努力(笑い)。
写真1-1-8 機内食 写真1-1-9 フランクフルト空港で搭乗便
左:ドイツの現地時間午前3時半頃、機内食が出ます。
右:定刻の午前5時半、朝焼けのフランクフルト空港へ到着。外気温は9度との案内。入国審査では「何日いるか、目的は。」と聞かれました。
写真1-1-10 写真1-1-11 写真1-1-12
左:空港内のATM。イオン銀行カードで200ユーロ引き出しました。レートはよくなく、市中の方がよいみたい。
中:トイレに三菱のハンドドライヤー。2014年には別のトイレでダイソンのハンドドライヤーを見たことがありましたが、異国で日本製品と出会うと嬉しい。
右:トイレには清潔度に関するアンケートのボタン。ほぼ同じ内容の機械が出発時の羽田空港にもあったので、世界中で同じことをやってるのかな。
ベルリン・テーゲル空港へ飛ぶので、もう一度手荷物検査を受けます。手荷物検査は厳しく、電子機器を入れたままにしていたら、再検査で全部出されました。
写真1-1-13 朝食 写真1-1-14 フランクフルト空港
左:6時半、搭乗口で、カレーソーセージの朝食。
右:搭乗便はエアバスA321で、バス移動。8.5kgの手荷物を持って移動しますが、旅の高揚感からか、それほど苦にならなくなりました。搭乗率は7割くらい。
離陸を待つ機内で空港の景色を眺めながら、ドイツの機内誌を見て、回りから聞こえてくるドイツ語のシャワーを浴びると、とても幸せな気分。
写真1-1-15 機内サービス 写真1-1-16
左:1時間10分のフライト。飲物(コーヒーを選択)とスナック菓子が出ました。
右:着陸10分前頃、ベルリンまでもう少し。地平線まで平野が広がっています。
写真1-1-17 ベルリン・テーゲル空港 写真1-1-18 シュプレー川
左:定刻9時前テーゲル空港に到着。長崎・大波止でバスに乗って23時間でした。
右:車は空港で借りることができますが、昨年借りたAvisベルリン中央営業所が親切だったので、今年もそこで予約。写真は移動中のバス車窓から見えたシュプレー川。
写真1-1-19 カイザー・ヴィルヘルム記念教会
写真1-1-20 ベルリン水道局
上:ツォー駅でバスを降り、カイザー・ヴィルヘルム記念教会を眺めながら、ヨーロッパセンターの先にあるAvisの営業所まで550mほど歩きます。教会の新鐘楼(左)は、昨年足場が組まれていましたが、足場に広告付き養生シートが張ってあります。空気感というか、雰囲気というか、ドイツにいられるだけで嬉しく、このままベルリンでのんびり2週間過ごしたい気分。
右:「Berliner Wasserbetriebe ベルリン水道局」と書かれ、ベルリンの名所がデザインされたマンホール。
予定通り10時前にAvis営業所着。昨年もこの営業所からいきなり朝の通勤時間帯にベルリンの市街地を走ったので、2度目の今年は気持に余裕。ベルリンは昨年5年ぶりに町歩きをしたので今回はすぐに郊外へ。
1-2 Cottbus コトブス
●車でコトブスへ向け出発
写真1-2-1 ベルリン市内 DR画像 写真1-2-2 フォード・クーガ
左:10時24分、レンタカーの営業所を出てすぐのドライブレコーダーの画像(DR画像、表示されている時刻は日本時間、現地は-7時間)。左前方のビルは、衣料品チェーン店のPeek & Cloppenburg。ベルリン名物の2階建て観光バスも通り、ベルリンへ来た実感がします。夏みたいな気候で、半袖の人も。
右:車はフォード・クーガ1.5リットルコンパクトSUV。一人旅には充分。コトブスへ南東へ130km2時間ほどの予定。
写真1-2-3 高速113号線 DR画像 写真1-2-4 昼食
左:市街地を抜けて、やや渋滞気味の高速100号線、高速113号線を走ります。注目すべきは、道路標識の白枠「Berlin Brandenburg」に×が付いています。延期続きのベルリン・ブランデンブルク国際空港が2020年10月に開港すれば×が取れることでしょう。
右:Schönefelder Kreuz シェーネフェルダー・ジャンクションを過ぎ高速13号線に乗ると、流れがよくなりました。走り出して1時間25分、約85km走って Raststätte Rüblingsheide レーブリングスハイデSAで25分ほど休憩を兼ねて昼食。
Bockwurst gross 180g Kartoffelsalat und Schrippe 6.3ユーロ 茹でソーセージ(大) ポテトサラダ シュリッペ(小型のパンのベルリン地方の言い方らしい)。
写真1-2-5 高速15号線 DR画像 写真1-2-6 コトブス市内
左:ドレスデンへ向かう高速13号線から別れて、高速15号線へ乗ると、交通量が激減。速度無制限区間ですが、時速130km程度で燃費重視の運転。
右:高速を降り、コトブス市内に入りました。路面電車の車両はチェコのメーカー、タトラ Tatra のKTNF6らしい。コトブスは人口10万人の都市ながら、路線長20.1km、停留所41箇所と充実しています。
●Staatstheater Cottbus コトブス州立劇場
写真1-2-7 南西面
今日の目的地は、【世界遺産】バート・ムスカウですが、時間に余裕があるため、日本語の旅行ガイドには紹介されていないものの、途中のコトブスに寄り道して、州立劇場とブラニッツ公園を見ることにしました。13時前に州立劇場に到着。1908年にこけら落とし。客席は600。設計はコンペに優勝した Bernhard Sehring ベルンハルト・セリング(1855-1941)。ユーゲントスティール(アールヌーボー)様式の彼の円熟期の建築物とのこと。手の込んだ独創的で優雅なデザインは、100年経っても古さを感じさせないし、個性的だけど嫌みがなくていいなと感じます。
毎日曜日には、この建物を巡るガイドツアーがあるらしく、チャンスがあれば参加してみたい。
写真1-2-8 南東面 写真1-2-9 北面
左:よく見ると塔上には青い像。調べたところ、Dionysos auf Streitwagen 戦車に乗ったディオニュソス(ギリシャ神話の酒の神)。そして天使像がパラペットにたくさん並んでいます。
右:こちらは Schillerpark シラー公園側の北面。この面もシンメトリー。
涼しいドイツへ来たのに、長崎の初夏の気候。暑さにカラダがまだ慣れていなくて、歩き回るのが辛い。
次は、5kmほど東へ車を走らせてブラニッツ公園へ。
●Branitzer Park ブラニッツ公園
写真1-2-10 ブラニッツ城 写真1-2-11
左:面積はハウステンボス150haをやや狭くした112ha。Schloss Branitz ブラニッツ城。
右:新緑がまぶしい。
写真1-2-12 写真1-2-13
左:初夏の暑さにカラダが慣れず早々に入口付近へ戻ったら、パーゴラで皆さん休憩中。
右:私もアイスで休憩。駐車場へ戻ると車のエアコンが全く効きません。季節外れの暑さに蒸し風呂状態。検索したらコトブス市内にAvisの営業所があるので、寄ることにしました。時刻は14時半前、5km、10分ほど。
●エイビスの営業所~道に迷いながら【世界遺産】バート・ムスカウへ
写真1-2-14 Avisの営業所で 写真1-2-15 高速15号線 DR画像
左:営業所で車を点検してもらったらやはり故障が判明。これからが長かった。営業所のスタッフが本部らしき所と電話しますが、折り合いがつかないもよう。仕舞いには営業所スタッフが「フロントガラスに書かれているブレイクダウン・サービスに、あなた自身で電話をしてくれ。」とのことで、電話して事情を話したら「営業所にいるなら、そこで車を交換してもらえば。」と素っ気ない。電話を営業所スタッフに代わって続きを説明してもらい、やっと営業所にあった雨で汚れに汚れたルノー・キャプチャー1.2リットルSUVに交換。営業所のスタッフもブレイクダウン・サービスのオペレーターも、エアコンの故障に対する責任は無いので、誰からもお詫びの言葉は無し。唯一営業所のスタッフから「汚れた車でゴメンね。」といかにもドイツらしい。1年ぶりにまともに使ったドイツ語が、車の交換だったとはトホホ。車の交換に1時間ほどかかって15時40分発。今日の最終目的地バート・ムスカウへ37km。ナビには16時13分到着予定と出ました。
右:高速15号線を東へ。ナビに従い Bademeusel バーデモイゼルで高速を降ります。標識の上には「letzte Ausfahrt vor Bundesgrenzen ドイツの国境まで最後の出口」。ポーランドの国境まで1kmほど。
写真1-2-16 コトブスからバート・ムスカウまで
実はダブルで痛恨のミス。最初はナビで Schloßstr.(城通り)を選択すべきところ、うっかり Schulstr.(学校通り)を選択。それで正規ルートなら高速を Roggosen ロゴセンで降りるはずですが、ナビは Bademeusel バーデモイゼル経由を指示したらしい。以下DR画像を復習しつつ、実際に走ったコースを辿ります。
写真1-2-17 Pusack Nr. プザック通り
左:高速を降りると、植林地帯の閑散とした制限速度時速100kmのコンクリート道。よく整備された林道で走りは快適だけど、これでたどり着けるのかと次第に不安に。国境に沿って南下したらしく、旅行者がこのような所をまず走らないだろうから、今となっては貴重な体験。途中何度も確認しつつナビを信じて目的地の「学校通り」に16時半頃到着。でも宿はない。
それで目指す宿は、ムスカウ公園の近くだから、とりあえず公園まで行くことに。ここで二つ目のミス。宿の名称は Kulturhotel(文化ホテル)なのに Kurhotel(療養ホテル)と勘違いしていたこと。この宿をネットで予約したとき、温浴施設(Kur)があったので早合点していました。だからナビで「療養ホテル」を検索してもヒットせず。散々右往左往し、途中スーパーマーケットNettoで水を買ったりして、17時半頃道ばたで初老に「療養ホテルはどこですか。」と尋ねたら、「それは文化ホテルだろう。目の前だ。」と指差した先にホテルがあった!
コトブスのブラニッツ公園出発時刻は14時半前だったので、車のエアコンが故障せず、道にも迷わなければ15時過ぎには到着していたはず。予定では到着後夕方までムスカウ公園を散策する計画でしたが、明朝に延期。2時間半近く無駄にしましたが、事故・怪我もなく無事たどり着いたし、一人旅で誰にも迷惑を掛けないので良しとしましょう。いやはや冒険に満ち満ちた旅行初日でした。
1-3 Kulturhotel Fürst Pückler Park ピュックラー公爵公園文化ホテル
●ムスカウ公園そばの四つ星ホテル
写真1-3-1 外観
ホテル名の「ピュックラー公爵」とは、ムスカウ庭園の創設者。
写真1-3-2 客室 写真1-3-3 客室
1泊朝食付き90.25ユーロ(泊まり79ユーロ、朝食10ユーロ、入浴税1.25ユーロ)。広さ20㎡(12帖)、ダブルベッドのシングル利用で一人旅には充分。ただ質的には3.5星かな。
写真1-3-4 サニタリー 写真1-3-5 2階平面図
左:清潔感のある広めのサニタリー。バスはなくシャワー・ブース。
右:2階平面図。中央下の黄色い110号室が泊まった客室。下で紹介する写真1-4-6 Marktplatz マルクト広場に面した眺めのよい部屋でした。
●夕食
写真1-3-6 一口前菜 写真1-3-7 飲み物
ホテルのレストラン「Grüner Fürst 緑の公爵」で夕食。四つ星ホテルなのでジャケットを着て行きましたが、初夏の陽気だからかTシャツの人も多くカジュアルで拍子抜け。
左:まず一口前菜がサービスで出ました。
右:飲み物は、順番に飲むつもりが、私の意図がうまく伝わらなかったようで、まとめて出てきてしまいました。(中央)Graf von Wackerbarth brut(Trocken) 0.1リットル 4.5ユーロ 辛口のスパークリング白ワイン。(右)Landskron Bier 0.3リットル 2.9ユーロ ゲルリッツ(明日訪れる予定)にある醸造所のピルスナー・ビール。(左)Weißburgunder-Rivaner halbtrocken 0.2リットル 6ユーロ 中辛口の白ワイン
写真1-3-8 前菜 写真1-3-9 デザート
3-Gang-Menü mit kalter Vorspeise 冷たい前菜付きの3品コース料理 35ユーロ。
左上:前菜のサラダ。主菜の Maultachen マウルタッシェンは撮り損ねました。
右上:エスプレッソとコースに付いているデザート。
●朝食
写真1-3-10 写真1-3-11
朝食は、次に紹介するムスカウ公園を散策してから食べましたが、先に紹介します。さすが四つ星ホテルだけあって多めのビュッフェ形式で、お昼の分までしっかり頂きました。
1-4 【世界遺産】Muskauer Park ムスカウ公園
●世界遺産の庭園を早朝散策
写真1-4-1 新城
時刻は6時過ぎ、外気温14度、朝食前に約1時間、ホテルすぐそばのムスカウ公園を散策します。入場は無料。入場すると目の前に掘りに囲まれたネオルネッサンス様式の Das Neue Schloss 新城。水面に城の逆さが映え、計算し尽くされた庭園の造形です。
写真1-4-2 案内板 写真1-4-3 
左:総面積830ha(ハウステンボス150haの5個分)と広大。中央にナイセ川、右側はポーランド、左側はドイツ、ホテルはこの案内板のほぼ中央にあります。
右:この付近は上流なので川幅は狭く、短い橋を渡って一瞬ポーランドへ「入国」。
写真1-4-4 
世界遺産にふさわしい絵のような美しい公園を無料で散策できるなんてありがたい。しかも平日の早朝だから、閑散としています。
写真1-4-5  写真1-4-6 マルクト広場
左:ベンチにビールの空き瓶が2本。昨晩、最高の「ビヤガーデン」で飲んだらしい。ラベルを解析すると、昨日ホテルの夕食で飲んだランズクローン・ビールらしい。
右:7時過ぎ、ホテル前のマルクト広場まで戻りました。実は、昨日ここへ到着したときに、ホテルを見つけきれず、ウロウロした場所。
1-5 Bautzen バウツェン
●一日で3都市巡り
ドイツ2日目は、バート・ムスカウを出発し、バウツェン、ゲルリッツを経由して、国境の町ツィッタウまで約150km走ります。この地域の一部は、現在のポーランド、チェコ、ドイツにまたがるシレジア地域に含まれるとのこと。経由地のゲルリッツの天気予報は曇り。予想最高気温26度、最低気温12度で、昨日に続き季節外れの暑さ。まずバウツェンまで約60km、1時間。出発する8時半の段階で、外気温はもう16度あります。
写真1-5-1 連続曲弦トラス橋 DR画像 写真1-5-2 ボックスベルク発電所 DR画像
左:走り出してすぐナイセ川に架かる珍しい連続曲弦トラス橋がありました。対岸はポーランド。Bahnbrücke 鉄道橋が、今はサイクリング・ロードとして使われているらしい。
右:バスを追い越すと、発電所が見えてきました。調べたところ、この地域で採掘される褐炭を燃料とする、出力2,575MWの Kraftwerk Boxberg ボックスベルク火力発電所。
●ソルブ人の中心都市
写真1-5-3 フリーデンス橋からの眺め
旧市街地の端にある Am Stadtwall アム・シュタットヴァルに9時半到着。車はここに駐めて、徒歩で旧市街地へ降りて行きます。ガイドブックに従って、眺めが素晴らしいというフリーデンス橋へ。確かに塔が幾重にも建つ風景は、見応えがあります。
写真1-5-4 市庁舎 写真1-5-5 中心商店街
左:Hauptmarkt und Rathaus 中央市場とバロック様式の市庁舎(1732年再建)。好天で半袖の人も多く、まだ10時過ぎですがカフェの露天席ではパラソルの下でくつろぐ人々。
右:中央市場に続く Reichenstr. ライヒェン通りと Reichenturm ライヒェン塔。この後東独時代の刑務所跡へ車で移動しました。
バウツェンⅡ刑務所跡
見学記は2019ドイツ旅行その4>4-1 バウツェンⅡ刑務所跡に掲載。
写真1-5-6 刑務所跡入口
1-6 Görlitz ゲルリッツ
●ドイツで最も東にある都市
外気温26度、長崎の初夏の陽気。バウツェンを11時半過ぎ出発し、東へ約50km、40分。ドイツで最も東にある人口5万人ほどの都市ゲルリッツへ。ここは先の大戦で空爆を受けず、歴史的町並みが残っていて、旧市街地をガイドブック片手に散策します。
写真1-6-1 写真1-6-2 高速4号線 DR画像
左:先を行く車のVWのマークが、商用車にもかかわらず悪魔にデザインされています。ボディ上のアドレスを調べたら画家の車らしく、納得。
右:高速4号線に乗ると東西を結ぶ物流路線で交通量が多く、大都市周辺みたい。
写真1-6-3 ケーニッヒスハイン丘陵トンネル DR画像 写真1-6-4 ゲルリッツ市内 DR画像
左:高速4号線を更に西へ。速度無制限から時速120→100→80kmと短い距離で制限がかかると、長さ3.3kmの Königshainer Berge ケーニッヒスハイン丘陵トンネルが現れました。オービスの代わりにパトカーが監視中。もしかして置いてあるだけかも。ところで同丘陵を調べると、1975年まであった花崗岩の採掘場跡が湖になっているらしい。
右:市内に入ると、小都市ですが路面電車が走っています。併用軌道の上をバスが後続。12時半前、1時間無料の路上駐車場に駐めました。1時間で観光を済ませる魂胆。
写真1-6-5 オーバーマルクト(上の市場) 写真1-6-6 馬車
左:Obermarkt オーバーマルクト。左は13世紀築造の Reichenbacher Turm ライヒェンバッハ塔で城壁の名残。高さ51mの塔は歴史文化博物館で登ることができます。
右:馬車がいました。観光客の需要があるのかな。東のナイセ川に向かって散策します。
写真1-6-7 シレジア博物館 写真1-6-8 旧市庁舎
左:Schlesisches Museum zu Görlitz シレジア博物館。色が違う4棟からなり印象的。
右:Untermarkt ウンターマルクト(下の市場)に建つ Das alte Rathaus 旧市庁舎。歴史は14世紀にさかのぼり、63mの塔は16世紀に付け加えられたとのこと。
写真1-6-9 堂々たるゴシック様式のペーター教会
町の東端ナイセ川沿いの高台に大聖堂級の Peterskirche ペーター教会があります。
写真1-6-10 ナイセ川 写真1-6-11 磁器の手塗り店の看板
左:右岸はポーランド。左岸のドイツ側にはポーランド料理店 The Four wheel Mill。気温は30度前後まで上がり、1杯飲みたい気分ですが、この先運転するのでここは我慢。
右:Porzellanhandmalerei 磁器の手塗り店の看板。至る所で手の込んだ看板を見ます。
写真1-6-12 マリーエン広場 DR画像
約1時間の駆け足観光の後13時半前、今日の最終目的地ツィッタウの宿まで40km、50分の予定で出発。走り出したら工事のためう回を指示する立て看板。ナビには工事情報が入っておらず同じ場所をぐるぐる。困って Marienplatz マリーエン広場で車を停めました。正面に Dicker Turm(太い塔)の足元が見えています。
1-7 Zittau ツィッタウ
写真1-7-1 ハーゲンヴェーダー駅 写真1-7-2 DR画像
左:やっとこゲルリッツの市街地を抜け出すと、立派な駅舎があったので、思わず車を停めて写真撮影。Hagenwerder ハーゲンヴェーダー駅とあり、1875年築、鉄道が花形だった時代の名残の重厚なレンガ造駅舎。現在はツィッタウ方面と、Weißwasser ヴァイスヴァッサー~コトブス方面に1時間に1本のローカル鉄道です。
右:ツィッタウへは一般道。このような直線道路が繰り返し眼前に広がります。カーブの先にどんな景色が展開するか、ワクワクのドライブ。
写真1-7-3 宿からの眺望
写真1-7-4
ツィッタウでは、まず市街地を離れた小高い丘の上にある宿に14時半頃チェックイン。休憩して市街地へ
宿からの眺望は抜群。案内板によれば、左から Isergebirge イゼラ山脈(チェコ)、Jeschkenkamm イェシュケン山(チェコ)、Zittauer Gebirge ツィッタウ山脈、500~1,000m級の山々。
左:時刻は15時、昼飯を吹っ飛ばしていたので、昼飯の代わりのパフェを、宿のテラス席でこの山々を眺めながら頂きました。Früchtetraum(果物の夢) 5.7ユーロ。
●ポーランドとチェコに接する国境の町
写真1-7-5 ノイシュタットのヘラクレスの泉と塩の館
時刻は15時半、市街地まで6km、10分ほど車を走らせます。ところが中心部は工事だらけで、ナビは全く役立たず、道路に立てられた案内板に従い13分ほどかかって、中心部の Neustadt ノイシュタットの広場に車を駐めました。
写真正面は広場にある Herkulesbrunnen ヘラクレスの泉と、背後の5階建て建物(1511築)は Salzhaus 塩の館で、現在は Landratsamt 郡役場の出先事務所とのこと。
写真1-7-6 市庁舎 写真1-7-7 ドラゴンの看板
左:Marktplatz マルクト広場に建つネオルネッサンス様式の市庁舎(1845築)。当時ベルリンを中心に活躍していた Karl Friedrich Schinkel シンケル(1781–1841)の設計案を Carl August Schramm シュラム(1807–1869)が監督して完成させたとのこと。
右:力強いドラゴンの見事な看板。元は飲食店の雰囲気ですが、残念ながら店自体は退去していました。
写真1-7-8 政党事務所と居酒屋の看板 写真1-7-9 帝国郵便・電信局
左:手前の看板は「Bündnis 90 Die Grünen 同盟90/緑の党」とあり、政党事務所もこんなオシャレな看板を掲げるのかと驚き。
見えにくくて恐縮ですが奥の看板は、上段に「Kapuziner Weissbier カプツィーナ白ビール」とあり、 2016年に訪れたクルムバッハの地ビールらしい。下段には「Seeger Schänke ゼーガー居酒屋」という店名。ホームページを見ると郷土料理店らしく、美味しそうな料理が並んでいます。
右:重厚なルネッサンス様式レンガ造の郵便局。日本にあれば重要文化財級でしょう。調べたところ、Kaiserliches Post- und Telegraphenamt 帝国郵便・電信局(1883築)。
写真1-7-10 モミジバスズカケノキの巨木 写真1-7-11 1989年ツィッタウの平和革命
左:公園に巨木がありました。案内板によれば樹齢約170年の Platanus acerifolia(モミジバスズカケノキ)。イギリスで作られた交配種で、幹周631cmとのこと。
右:車を駐めた近くにあった立て看板。ベルリンの壁崩壊1989年11月9日前後には、当時の東ドイツ各都市で大きな民主化の動きがありました。ここツィッタウも例外ではなく「Die Friedliche Revolution 1989 in Zittau 1989年ツィッタウの平和革命」のタイトルで、ダイナミックな時代のうねりが書かれています。
時刻は17時。それでは宿へ戻ります。3都市を駆け足でまわったせいか、印象に残ったのはバウツェンの刑務所跡くらい。各都市を1日1都市くらいのペースで深掘りすると、印象はまた違ったかも。
1-8 Berggasthof Koitsche コイチェ山荘
●家族経営のフレンドリーなスイス山小屋風の宿
写真1-8-1 外観 写真1-8-2 客室の廊下
左:宿へ帰ってきました。スイスの山小屋のイメージらしい。
右:2階右側にある客室のドアを開けると廊下があり、正面に客室、左手にサニタリー。予約時のサイトには35㎡(21帖相当)とあります。
写真1-8-3 客室 写真1-8-4 客室
左:ダブルベッドのシングル利用。1泊朝食付き75ユーロ(泊まり66.5ユーロ、朝食8.5ユーロ)。一般的な市中のビジネスホテルの3倍以上の広さ。
右:窓はドイツでは珍しい網戸もある木製サッシュ
写真1-8-5 サニタリー 写真1-8-6 サニタリー
左:サニタリーも広かった。フラッシュが点灯せず見にくくてスミマセン。
右:サニタリー内の洗面台とシャワーブース。
●夕食
写真1-8-7 夕食 写真1-8-8 夕食
時刻は19時半、宿自慢のテラス席で夕食。金曜日だからか、お客さんはそこそこ入っています。まずは Spargelcremesuppe mit Spargelstückchen 白アスパラのクリームスープ4.9ユーロ。
ビールは Feldschlößchen Pilsener vom Fass フェルトシュレスヒェン・ピルスナーの生 0.5リットル 3.9ユーロ。醸造所はドレスデン
写真1-8-9 夕食 写真1-8-10 デザート
写真1-8-11
写真1-8-12
左上:主食はスイス・ティチーノ州の郷土料理のサラダ Geissä Chäs vom Ofe, kleine Salatvariation mit Birnenspalten, dazu angebratener Ziegenkäse im Schinkenmantel 割洋なしとヤギ乳製チーズの生ハム包み添えの小さなサラダ 6.5ユーロ。
左:ワインは Mettenheimer Goldberg Weißer Burgunder trocken ラインヘッセンの辛口の白 0.2リットル 5.9ユーロ
右上:日も落ち寒くなり、デザートは室内で頂きました。オーストリアのパンケーキのデザート Kaiserschmarrn カイザーシュマーレン 4.9ユーロ。
右:Feldschlößchen Rubin フェルトシュレスヒェン・ルビン0.3リットル2.8ユーロ スコットランドのロースト麦芽を使った琥珀色のビール
写真1-8-13 客室からの眺め 写真1-8-14 サニタリーからの眺め
左:翌朝、客室から外を眺めると、小雨に霞んでいます。素晴らしい眺望。
右:こちらはサニタリーの窓からの眺め。周囲は雑木林です。赤い車が旅の相棒。
写真1-8-15 宿のテラス 写真1-8-16 朝食
左:外気温は10度ほど。朝食前、テラスに出てみました。天気さえよければ、ここでの朝食は、気持ちよさそう。周囲を散歩したかったけど、小雨で足元が悪いので諦めました。
右:朝食は卵無しの必要最小限なビュッフェ形式。2泊してゆっくりしたい気分。スタッフはとても気さくで、もう1泊すれば、もっと打ち解けただろうけど。
1-9 Sächsische Schweiz ザクセンのスイス
ドイツ3日目は、ツィッタウを出発し、ザクセンのスイス、ケーニッヒシュタイン要塞を経由して、ドレスデン郊外のモーリッツブルクまで約150km走ります。ドレスデンの天気予報は曇り。予想最高気温19度、最低気温9度で、しのぎやすくなりました。
今日最初の目的地ザクセンのスイスの入口である Kurort Rathen クーアオルト・ラーテンまで、最短距離はポーランドを通過する80kmのコース。もしドイツだけを迂回すると走行距離は100km。ナビが指示するポーランドを通過する最短コースを走ります。車でドイツを出るのは、2017年にベルギーへ2時間半だけ遠征して以来2回目。8時半過ぎに出発。小雨模様のドライブになりました。
●チェコを通過 チェコの地名は読めないので、以下ドイツ語による地名で記載。
写真1-9-1 チェコへ入国 DR画像 写真1-9-2 ルンブルク駅 DR画像
左:走り出して約20分、Neugersdorf ノイガースドルフの町外れでチェコへ入国。ドイツと比べてもそれほど違和感はありませんが、道路のインフラは少々劣ります。
右:人口1万人の Rumburk ルンブルクの駅を通過。広いヤードは鉄道全盛時代の名残。
写真1-9-3 シュルクノフ DR画像 写真1-9-4 ドイツへ再入国 DR画像
左:Sluknov シュルクノフの歴史を感じる町並み。左手に見える教会は、St. Wenzel 聖ヴェンツェル教会。人口は5,000人ほどらしく、このような町に泊まってみたい。
右:Dolni Poustevna ドルニー・ボウステヴナで Sebnitz ゼブニッツ川を渡ると、再びドイツへ。30分ほどであっけなくポーランドを通過。県境を越える感じでした。
写真1-9-5 派手な外壁 DR画像 写真1-9-6
左:ドイツへ再入国してすぐ、Sebnitz ゼブニッツという町にあった Fischer-Art-Haus フィッシャー・アート・ハウスというカラフルな外観の建物。
右:Bad Schandau バート・シャンダウへ向かう道は雲仙登山道みたい。
写真1-9-7 DR画像
次はやまなみハイウェイ。毎年違う場所で、このような菜の花畑の中を走ります。
●奇岩地帯へハイキング
写真1-9-8 渡し船 写真1-9-9 奇岩地帯
左:10時過ぎ Rathen ラーテン対岸の駐車場に到着。渡し船でエルベ川をラーテンへ渡ります。切符売場が無かったので並んでいる人にドイツ語で尋ねたら、ドイツ語を話さない外国人で「英語で。」と返ってきました。私がまごまごしていると、回りにいた人がドイツ語で「乗ってから。」と教えてくれました。結局下船時に対岸で払いました。
右:渡し船は無動力船。川の流れでゆっくり進みます。眼前には今から登る奇岩地帯。
写真1-9-10 写真1-9-11 エルベ川の絶景
左:奇岩が見えてきました。
右:山道を20分ほど登るとエルベ川を望む展望台。高低差は200m近く。眼下には、先ほどの渡し船や駐車場。右奥には、Lilienstein リリエンシュタインという、Nationalpark Sächsische Schweiz ザクセン・スイス国立公園のシンボルと言うべきテーブルマウンテンが見えます。まさに絶景。
写真1-9-12 ノイラーテン岩壁城 写真1-9-13 ノイラーテン岩壁城
左:奇岩を繋ぐ歩道橋がいくつも連なっている Felsenburg Neurathen ノイラーテン岩壁城という有料ゾーン(大人ひとり2ユーロ)がありました。左の緑色の看板には、「窓口が閉まった後、入場料はここに入れて。」と書かれています。ドイツにしてはおおらか。
右:奇岩が広がる景色は息をのむ素晴らしさ。断崖絶壁の頂上に立像のようなものが見えます。
写真1-9-14 奇岩地帯のハイライト・バスタイ橋
奇岩をまたぐ Bastei Brücke バスタイ橋を渡り、橋が一望できる所へ。旅の醍醐味を感じる素晴らしい景色です。雨があがってよかった。
写真1-9-15 バスタイ橋 写真1-9-16 ノイラーテン岩壁城
左:土曜日だからか観光客で溢れています。橋はそれまでの木橋から、1851年に長さ76.5m、ななつアーチの石橋に架け替えられたとのこと。こんな足場の悪い岩場にこれだけの石橋をよく築造したものです。
右:先ほど歩いたノイラーテン岩壁城の展望台に人が群がっています。
12時半過ぎ、約2時間半のハイキングを終えて駐車場へ戻りました。次はケーニッヒシュタイン要塞へ。外気温は14度。
1-10 Festung Königstein ケーニッヒシュタイン要塞
●世界第2位の深さの掘り井戸がある要塞
写真1-10-1 全景
エルベ川から240mの高さにあるテーブルマウンテンに、13世紀に築かれた要塞。時には監獄としても使われたとのこと。この画像は、ツィッタウからザクセンのスイスへ向かう途中で撮影。
写真1-10-2 トロッコバス 写真1-10-3 最大高さ42mの城壁
左:ザクセンのスイスから10km、15分ほど走って、ケーニッヒシュタイン要塞の立体駐車場へ到着。ここから要塞入口まで750m、徒歩8分ほどで歩くには苦にならない距離ですが、目の前にいたトロッコ・バスで登りました。トロッコ・バスを降りたところにエレベーターがあり、一気に要塞まで登ることもできますが、徒歩で要塞を目指します。
右:城壁の長さは1.8km、基盤の砂岩擁壁も含めると最大で42mの高さがあるらしい。
写真1-10-4 エントランス 写真1-10-5 エントランス
左:ザクセン選帝侯の紋章が輝くエントランスの門。廃城になり、荒れ果てた城も多い中で、ここは維持管理がしっかりしているもよう。
右:エントランスは、石畳の坂道が続きます。
写真1-10-6 井戸 写真1-10-7 井戸ランキング
左:お目当ての井戸。深さ152m、直径3.5m、日量8t。1563年から6年の歳月をかけて人力で掘ったとのこと。井戸蓋の代わりに設置されたガラス越しに井戸中を覗けます。
難攻不落の城の条件は、その物理的な攻めにくさは当然として、相当の費用がかかったとしても兵糧攻めにも耐えられる水の確保は、大きな意義があったことでしょう。
右:井戸のそばにあった掘井戸のランキング。実は、一昨年訪れたキフホイザー記念碑で、世界で最も深い城の井戸(176m)を見ました(パネル左端)。2017ドイツ旅行その1>1-6キフホイザー記念碑参照。そしてNo.2がここの井戸だとその時知りました。ちなみに幻のNo1は、埋没したままの深さ197mの井戸をもつハルツ地方にある Burg Regenstein レーゲンシュタイン城趾。いずれ訪れてみたい。
写真1-10-8 フリードリヒスブルク
どひゃ~、絶景。城壁そばにある Friedrichsburg フリードリヒスブルクと名が付いた建物は、1731年にバロック様式で建て替えられた元Lustschlösschen 離宮で、1999年に宴会場として使えるよう改装されています。
写真1-10-9 監視塔 写真1-10-10 大砲
左:「Hungerturm/Rösschen 城内牢」と名付けられた監視塔。よくぞこんな足場の悪いところに塔を建てたものだと驚きます。
右:17世紀~18世紀に作られた5基の大砲が、磨き上げられエントランスに向けられています。写真右側にある建物から大砲がある広場に降りてきたら、「建物内には何があるの。」とドイツ語で気軽に尋ねられて驚きました。どう見ても極東の異邦人ですが。
写真1-10-11 昼食
右:時刻は2時半。昼飯も兼ねて休憩。シュトロイゼルクーヘン生クリーム添え。巨大さにのけぞります。
腹ごしらえも終え、トロッコ・バスで駐車場へ戻り、駐車料金の自動精算機の前で、駐車券が何らかの事情で読み取れず駐車料金が精算出来ずにまごついている人に、またまた助けを求められました。ドイツに馴染んでいるのかな~。時刻は15時ちょうど。途中「青い奇跡」と呼ばれる橋を経由し、ドレスデン市街地をかすめて今日の宿泊地へ約45km、1時間半の予定。
1-11 Loschwitzer Brücke ロシュヴィッツァー橋
写真1-11-1
ドレスデンの郊外、エルベ川に架かる橋。観光地ではありませんが「絵になる橋」です。エッフェル塔が完成した4年後の1893年に竣工した当時は、技術的に難易度が高く、青く塗られたため「Blaues Wunder 青い奇跡」と呼ばれたらしい。
1-12 Eisenberger Hof アイゼンベルガー・ホーフ
●テラス付きの山小屋風三つ星ホテル
写真1-12-1 玄関側 写真1-12-2 客室側 
明日訪れるモーリッツブルク城に近く、レストランがある宿を選びました。
写真1-12-3 客室 写真1-12-4 テラス 
1泊朝食付き60ユーロ(泊まり49ユーロ、朝食11ユーロ)。テラスがあり、目の前は広い野原。
写真1-12-5 客室 写真1-12-6 サニタリー
シングルルーム12㎡。ここに2泊します。値段も広さも設備も標準的な三つ星ホテル。
●ホテルで頂く夕食
写真1-12-7 ホテルで頂く夕食
夕食はドイツの定番 Schnitzel Wiener Art ウィーン風カツレツ 12.9ユーロ。
写真右上:飲み物はまず Moritzburer Schloss Cuvée trocken モーリッツブルク城ヴィンテージ辛口のスパークリングワイン0.1リットル 3.1ユーロ
同中央上 Meißner Schwerter Privat Pils vom Fass マイセンのピルスナーの生 0.5リットル 3.9ユーロ。グラスに1460年創業とあり、ザクセン州で最も古い民間醸造所らしい。
写真1-12-8 ワイン 写真1-12-9 デザート
左:Nieder Flörsheimer Grauer Burgunder Classic, Weingut Hatzfelder Hof, Rheinhessen, Spätlese, halbtrocken ドイツで最大のワイン産地ラインヘッセンのやや辛口白ワイン 0.2リットル 5.1ユーロ
右:デザートは Eierlikör Trifft Schokolade チョコとバニラアイス、生クリーム、チョコレートソース添え5.5ユーロ、締めて30.50ユーロでした。
●朝食
写真1-12-10 ビュッフェ形式の朝食 写真1-12-11 朝食
翌朝、卵もある普通レベルのビュッフェ形式の朝食。
1-13 Lößnitzgrundbahn レスニッツグルント鉄道
ドイツ4日目は、この宿にもう一泊します。午前中は蒸気機関車牽引列車(以下「SL列車」という)に乗り、午後はピルニッツ宮殿とモーリッツブルク城を見学します。ドレスデンの天気予報は曇り。予想最高気温13度、最低気温8度で、このシーズンらしい気温です。
レスニッツグルント鉄道は、ドレスデンの北西にあり全便SL列車が走る狭軌(750mm)、路線長16.49kmの保存鉄道。高低差は全線で66mしかなく、ほぼ草原の平坦線です。
写真1-13-1 路線図
左は列車内にあった路線図に、乗車時刻を追記しました。一般的には、モーリッツブルク城観光のため、朝ドイツ鉄道(DB)でドレスデンを出て、②Radebeul Ost ラーデボイル東でこの鉄道に乗り換え、①モーリッツブルクまで往復するコースです。
私はすでに目的地①モーリッツブルクにいるので、半日かけて全線を制覇します。
①モーリッツブルク駅~南下~②ラーデボイル東(DB乗換駅)。
②ラーデボイル東~北の終点③Radeburg ラーデブルクへ折返し、
③ラーデブルク④モーリッツブルクへ戻ります。
②ラーデボイル東~①モーリッツブルク駅間は平日2時間おきに7往復ありますが、①モーリッツブルク~③ラーデブルク間は平日3往復、週末はわずか2往復。よく蒸気鉄道で残しているものだと驚きます。
中間駅からスタートするため、3列車に乗ることになり、一日乗車券18ユーロがお得。モーリッツブルク駅はこの時間窓口が開いていないので、車掌さんから買いました。
①モーリッツブルク9:03発~②ラーデボイル東9:30着
写真1-13-2 モーリッツブルク駅 写真1-13-3 モーリッツブルク駅
左:宿を車で出発し、モーリッツブルク駅へ。
右:9時前ラーデボイル東から、日曜日の始発列車が到着。機関車+緩急車+客車3両+無蓋車+客車5両の堂々たる編成ですが、乗客はゼロ。
緩急車 客 車 客 車 客 車 無蓋車 客 車 客 車 客 車 客 車 客 車
写真1-13-4 蒸気機関車99 1789-9 写真1-13-5 客車
左:機関車は、機回し線に入り後進。99 1789-9は1957年に新造。
右:ラーデボイル東駅へ向かって出発。日曜日朝だからか乗客は私だけで回送みたい。客車の中央にトイレがあり、線路幅1mのハルツ狭軌鉄道と似ていますが、貫通路が無いので、走行中でも車掌さんはオープンデッキのステップから隣の車両に乗り移っています。
写真1-13-6 写真1-13-7 フリーデヴァルト・バート駅
左:車窓には草原が広がり、のどかな農村地帯を走ります。
右:最初の停車駅 Bf Friedewald Bad フリーデヴァルト・バート駅のレンガ造の駅舎(1884築)。左手木造の窓枠の上にある、大きな木製オーナメントが印象的。
写真1-13-8 フリーデヴァルト・バート駅 写真1-13-9 フリーデヴァルト停車場
左:駅のホームにはバス停のような上屋。
右:Hp Friedewald フリーデヴァルト停車場。Hp とは Haltepunkt(側線・ポイントのない)小駅、停車場のことらしい。
写真1-13-10 レスニッツグルント停車場 写真1-13-11 フリーデヴァルト停車場
写真1-13-12
左:Hp Lößnitzgrund レスニッツグルント停車場。この鉄道の名前にも関わらずこじんまり。列車を待つ間、冬の厳しい寒さをしのげる作りらしい。
右上:Hp Weißes Roß ヴァイセス・ロス(白馬)停車場。この近くには路面電車が通っています。
右:その路面電車の軌道と道路を横切ります。
●ラーデボイル東駅
写真1-13-13
27分で終点のラーデボイル東駅に到着。折返しの列車まで半時間ほどあるので、駅を散策。構内には、多くの車両が留置。左端の「99 791」蒸気機関車には「Deutsche Reichsbahn ドイツ国営鉄道(戦前のドイツからドイツ再統一までの東ドイツ国営鉄道)」の銘板が付いています。
写真1-13-14 DB 写真1-13-15 機関庫
左:この駅でDBと接続。2階建ての近郊型車両が停車中。
右:機関車は客車から切り離されて、機関庫へ。右手の電化された軌道がDB。
写真1-13-16 旧駅舎
右:可愛い時計台があるレンガ造の旧駅舎(1900築)は、歴史的建造物として、Volks Hochschule 市民大学、Kultur Bahnhof 文化ホールとして使われています。
②ラーデボイル東9:56発~③ラーデブルク10:50着
写真1-13-17 ラーデボイル東駅 写真1-13-18 モーリッツブルク駅
左:2番目の乗車。DBからの乗換客を乗せて発車。
右:ラーデボイル東駅から5駅目28分でモーリッツブルク駅まで戻りました。ここでほとんどの乗客は下車。無蓋車は、追加料金無しで乗ることができますが、薄曇りで肌寒いし、雨あがりで座席はまだ濡れていて、立ったまま乗った私だけ。そのまま乗車して、ラーデブルク駅まで往復します。
写真1-13-19 写真1-13-20 クナーツヴァルデ停車場
左:ほぼ平坦な林の中を、森林浴気分で進みます。
右:6駅目、Hp Cunnertswalde クナーツヴァルデ停車場。大きさは電話ボックス程度。
写真1-13-21 ベルンスドルフ停車場 写真1-13-22 ベアビスドルフ停車場
左:7番目、Hp Bärnsdorf ベルンスドルフ停車場。ここも電話ボックスくらい。
右:8番目、Hp Berbisdorf ベアビスドルフ停車場。
●ラーデブルク駅
写真1-13-23 ベアビスドルフ・アンバウ停車場 写真1-13-24
左:9番目、Hp Berbisdorf Anbau ベアビスドルフ・アンバウ停車場
右:終着駅 Bf Radeburg ラーデブルク駅へ到着。鉄道黄金時代を彷彿とさせる、側線も多い本格的な駅です。折返し列車まで18分。駅周辺を散策。
写真1-13-25
左から客車5両、無蓋車、客車3両、緩急車の計10両の長大編成ですが、乗客は1両分。
写真1-13-26 給水中の機関車 写真1-13-27 駅舎
左:機関車は切り離されて給水。鉄道ファンが見守ります。
右:駅舎(1884築)。
③ラーデブルク11:08発~④モーリッツブルク着11:33着
写真1-13-28
3番目の乗車。モーリッツブルク駅への戻りは、最後尾に乗りました。機関車は後進。
写真1-13-29 客車 写真1-13-30
写真1-13-31
左:クラシックな客車。
右上:モーリッツブルク駅の到着前、湖が見えました。モーリッツブルク~フリーデヴァルト・バート間には湖を渡る鉄橋もあり、湖が多い印象。
11時半過ぎにモーリッツブルク駅に到着。ラーデボイル東駅へ向かう列車を見送り(右)、往復2時間半の鉄道小旅行を終えました。
ハルツ狭軌鉄道の急勾配を登るダイナミックさは無く、物足りなさを感じますが、遊園地のミニ鉄道みたいに楽しかった。
1-14 Schloss & Park Pillnitz ピルニッツ宮殿
●エルベ川沿いに建つ中国趣味も取り入れた宮殿
昼前、モーリッツブルク駅からピルニッツ宮殿へそのまま車で向かいます。25km、40分の予定。この時間になると晴れ間が出て好天です。ただ気温は10度ほど。
ピルニッツ宮殿は、Friedrich August アウグスト強王が愛人のコーゼル女性伯爵へ贈ったもの。面積は28haで、東京ディズニーランド50haの約半分。
写真1-14-1 DR画像 写真1-14-2 ロシュヴィッツァー橋
左:途中、ドレスデン・エルベ渓谷の【世界遺産】抹消の原因となった Waldschlößchenbrücke ヴァルトシュレスヒェン橋でエルベ川を渡ります。橋の両側に建つポールはオービス。制限速度は時速50kmなので、控えめに。
右:昨日通った 1-11ロシュヴィッツァー橋を、逆方向へ走ります。この地には Dresden Bergbahn ドレスデン・ベルグバーンと呼ばれる Schwebebahn 懸垂式モノレールと Drahtseilbahn ケーブルカーの二つがあり、赤枠は懸垂式モノレール。高低差84m、延長274m、1901年竣工。ヴッパータールのモノレールを設計したオイゲン・ランゲンが関わったとのこと。いずれ訪れてみたい。
写真を整理しながら、よく見るとここにもオービスが映ってる!(青丸)。この付近の制限速度は時速30km。DRの画像を見直すと交通量が多めで時速10km程度しかでていませんでした。セーフ!
宮殿駐車場の位置を間違い一旦通り過ぎてしまいましたが、予定通りほぼ40分で、駐車場に到着。
写真1-14-3 案内板 写真1-14-4 マロニエの並木
左:駐車場に案内板がありました。下から反時計回りにパンフレットの散策コースに従って歩きます。地図の赤色は建物で、中央上の┣┫は、エルベ川沿いに建つ三つの宮殿。Lustgarten 遊歩庭園を取り囲むように、右から反時計回りに Wasserpalais 水の宮殿(写真1-14-5、9)、Neue Palais 新宮殿(写真1-14-7、8)、Bergpalais 山の宮殿の順で散策します。時間の都合で建物内は入りません。
左側の\┃は、Orangerie und Palmenhaus 温室。
右:Maillebahn und Kastanienallee マイレバーンとマロニエの並木。マイレバーンとは、クリケットのようなMaille-Spiel マイレ・ゲームをする場所とのこと。延長760mあり、スケール感が半端ない。
写真1-14-5 水の宮殿(エルベ川側) 写真1-14-6 蒸気船
左:Elbe エルベ川沿いの水の宮殿。中国趣味のデザイン。
右:カメラをエルベ川へ向けると、復元された蒸気船が蒸気機関車みたいなポ、ポという音を響かせながらゆっくりと進みます。この船でドレスデンから訪れることもできるもよう。
写真1-14-7 新宮殿(ライラックの庭側) 写真1-14-8 新宮殿(遊歩庭園側)
左:Neue Palais mit Fliederhof 新宮殿とライラックの庭。ちょうどライラックの開花シーズン。
右:Neue Palais mit barockem Lustgarten バロック様式の遊歩庭園側の新宮殿。
写真1-14-9 水の宮殿(遊歩庭園側)
Wasserpalais mit barockem Lustgarten 遊歩庭園側の水の宮殿。
水の宮殿、新宮殿、山の宮殿、それぞれ単独でも充分に存在感のある三つの宮殿が、幾何学模様のバロック式庭園を囲んで建っています。水の宮殿と山の宮殿はうり二つで、一見すると区別が付かない同じデザイン。
写真1-14-10 温室 写真1-14-11 キタリス
左:温室。案内板によれば、もともとRingrenngebäude 吊された輪を駆ける馬上からやりで突く中世の競技である輪突きの建物として1725年に建てられ、1818年に宮殿が火災に遭った後は劇場として使われ、1880年に温室に改造されたとのこと。
右:散策していたら観光客から「静かに!」と、ひそひそ声でささやかれました。目の前では可愛いリスが走り回っています。でも私が持っているリスのイメージとは少し違うので調べたところ「キタリス」というリスの一種らしい。
写真1-14-12 英国式庭園
案内板によれば、1778年に敷地を拡張して自然の景観を活かした英国式庭園を作ったとのこと。確かに宮殿前のバロック様式の遊歩庭園とは対照的。
写真1-14-13 樹齢250年以上の椿と温室 写真1-14-14 トリトン・ゴンドラ
左:Kamelie mit Gewächshaus 樹齢250年以上の椿は1801年に植えられ、ヨーロッパでもっとも古い椿の一つ。高さ8.9m、春には35,000の花を咲かせるとのこと。暖房設備付き高さ13.2m、54トンのガラスの可動式温室は1992年に建てられ、温暖期は横へ移動し、椿は露天となるらしい。
調べたところ、スウェーデンの植物学者カール・ペーター・ツゥンベルクは、1779年の日本旅行でロンドン近郊の王立植物園に椿を4株持ち帰り、1株は同園に残り、残りの3株はハノーバー、シェーンブルン、ピルニッツに移植されたらしい。これが本当なら、ピルニッツの椿が唯一生き残っている株とのこと。椿は、日本原産で欧州では珍しい品種だった!大切に守られている理由が分かりました。
右:Tritonengondel トリトン・ゴンドラ 案内板によれば、1800年頃に作られ、ドレスデンとピルニッツ間で、王族の移動に使われたとのこと。
1時間強の散策を終えて、13時45分ピルニッツを離れ、来た道を戻り宿へ。
写真1-14-15 コーヒー 写真1-14-16 ピエロのアイス
14時半過ぎ、宿のレストランで遅めの昼ご飯を兼ねてコーヒーブレイク。Tasse Kaffe コーヒー2.2ユーロ、Kindereinbecher Eisclown 1Kugel Eis nach Wahl, Sahne, Waffel und Gummitiere お子様の「ピエロのアイス」 選べるアイス(チョコを選択)、生クリーム、ワッフル、動物のグミ 2.5ユーロ
他のアイスはどれも5ユーロ以上でボリュームもあったので、お子様向けを選びましたが、量も値段もお手頃。
1-15 Schloss Moritzburg モーリッツブルク城
●水盤に浮かぶ狩りの城
写真1-15-1
時刻は15時、車は宿に置いて徒歩10分のバロック様式のモーリッツブルク城へ。四方に塔があり、東西面、南北面がほぼ相似。16世紀に狩の城として建設が始まり、18世紀に アウグスト強王が完成させたとのこと。城が立つ人工島は、城と同様に南北、東西相似に作られていて貴婦人のような端正さ。航空写真を見るとドローンが着陸しているみたい。
Schlossteich 城池と名が付いたこの人工の池は、1733年に城の周りにあった四つの池をつないで完成。大きさを地図上で計ると、東西約1km、南北約500m、50haあり、東京ディズニーランドとほぼ同じ大きさ。
写真1-15-2 アダムス・ガストホーフ 写真1-15-3 観光馬車
左:途中、歴史を感じる Adams Gasthof アダムス・ガストホーフがあり、調べたら一般的なレストラン付き旅館ではなく、レストラン兼宴会場で残念ながら泊まれません。
右:城の入口には、観光馬車が並んでいます。日曜日なので多くの観光客。
写真1-15-4 エントランス 写真1-15-5 城の玄関から
左:北向きに人工島まで150mほど並木のエントランスがあります。入園無料。
右:城の玄関で振り返ると、Schloßallee 城通りがモーリッツブルクの町へ。航空写真を見ると直線道路は、町を突き抜けてその先の Dresdner Str.ドレスデン通りまで2.5kmほどあります。エントランス両端にある平屋の守衛室のような建物は土産品店。
写真1-15-6 食堂 写真1-15-7 礼拝堂
左:宮殿は入場料を払います。鹿の角が壁全面に飾られた食堂
右:礼拝堂。控えめな装飾の白壁が、祭壇や講壇(左側壁)を引き立てています。
写真1-15-8 北側の庭園 写真1-15-9 宮殿北面
左:宮殿北側。南側と同じように左右対称の守衛室のような建物があります。公式サイト(※、独語)によれば4ベッドの Ferienwohnung 休暇住宅。私も泊まれる!その奥の左右2棟の建物は Kavaliershaus(城館付属の廷臣宿舎)。庭園は、第二次世界大戦後多くの立木(トウヒ)が伐採され、1740年の計画に基づいて1990年から再建中らしい。
右:宮殿北面。南面とそっくり。
写真1-15-10 休暇住宅の東屋 写真1-15-11 凍結湖面立入禁止
左:人工島の東西の水辺には4棟の東屋があり、こちらも2ベッドの休暇住宅
右:東屋の基礎には「凍結湖面立入禁止 身の危険」と表示。冬期には氷が張るようで、ネットには氷上ではしゃぐ写真があり、この表示を出しているようです。
写真1-15-12 シンデレラの靴 写真1-15-13 シンデレラの靴
東側の外階段に「Aschenbrödels Schuh シンデレラの靴」がありました。どうしてここにあるのか調べたところ「Drei Haselnüsse für Aschenbrödel シンデレラの三つのヘーゼルナッツ(1973 チェコスロバキア・東ドイツ)」がここで撮影されたとのこと。ガラスの靴だと割れるからかなと思ったら、グリム童話では、金銀の靴とされているためOKらしい。
写真1-15-14 部屋のテラスからの眺め。 写真1-15-15 客室のテラス
17時に宿へ戻りました。夕飯には早すぎるので、ホテルの自販機で瓶ビールとスナックを調達し、客室のテラスで、草原を眺めながら休憩。至福のひととき。
●ホテルで頂く夕食
写真1-15-16 白ビール 写真1-15-17 夕食
時刻は19時、昨日に続き、ホテルで晩ご飯。
左:Weihenstephan Hafe ヴァイエンシュテファン・白ビール 4.2ユーロ。昨年リューデスハイムで飲んで以来2度目。
右:Moritzburger Bauernbrot Ofenfrisches Schwarzbierbrot mit gebratenen Kalbfleischkäse, Pilzen, Tomate und 2 Spiegeleier, dazu eine kleiner Salat モーリッツブルクの農家風黒パン 焼きたての黒ビールのパン、子牛の新鮮なチーズ揚げ、マッシュルーム、トマト、目玉焼き2枚、小さなサラダ添え。10.2ユーロ。黒パンはトッピングの下に隠れて、左下に少しだけ見えています。
写真1-15-18 ワイン 写真1-15-19 デザート
左:Burg Rodenstein Scheurebe Weingut Hatzfelder Hof. Rheinhessen Kabinett. trocken ラインヘッセンの辛口の白ワイン 4.7ユーロを2杯も飲んでしまいました。
右:Hausgemachte Buchteln mit Vanillesoße und Pflaumenkompott 自家製ブフテルン(注1)、バニラソース添え、プラムのコンポート(注2) 6.9ユーロ、締めて30.7ユーロの夕食。
注1:ブフテルンはオーストリアの菓子で、パン生地に沢山のジャム、スモモのムース、クリームチーズを練り込んで焼き上げたもの。
注2:コンポートは、果物を水や薄い砂糖水で煮て作る、ヨーロッパの伝統的な果物の保存方法。
1-16 Nachwort あとがき
●旅行初日は珍道中
旅行初日は、レンタカーのエアコンが故障したり、ダブルで宿を間違えたりとハプニング続きの旅のスタートでしたが、予定していた見学場所には行けたので、これも旅の醍醐味でよしとしましょう。
●9年連続でドイツを旅し、自分なりの旅のスタイルが確立
①旧東ドイツエリアの旅
ここまで、旧東ドイツを旅し、チェコにも入国しました。日本にはあまり馴染みがない地域で、ここまで日本人はいわずものがな、東洋人ともほとんど会いません。使うのはドイツ語だけ。会う人々、皆フレンドリーな感じがします。
②レンタカーで回る
鉄道は大好きです。でも限られた日程で、欲張って回ろうとすると、レンタカーが効率的。しかも速度無制限(全線の1/2程度、残りの1/2は制限有り)・無料のアウトバーンをはじめ、道路のインフラがよく整備されていて、ドライブの楽しさは日本の比ではありません。しかも田舎を回るので、渋滞とも無縁。
③レストランがある宿
昼間精力的に見て回るので、夕方にはエネルギーが残っていません。しかもグルメじゃないので、美味しいものを探して、夕食に出掛けたくありません。ドイツの大衆料理とビールがあればそれで満足。甘いものは別腹ですが(笑い)。レストランがある宿なら、飲んでもそのままベッドに身を沈められます。
かと言って大きな都市の中心部の宿は、高めだし、駐車に苦労したり、駐車料金がかかったりで避けます。それで少し郊外で、広い駐車場がある安めの宿を探します。
写真1-16-1 コイチェ山荘

ツィッタウ郊外のコイチェ山荘は、そんな私のお好みの宿の典型でした。
国境の町ツィッタウ観光には車で出掛け、夕食は、丘の上の宿で抜群の眺望を眺めながら。部屋は広く、スタッフはフレンドリー。しかもまずバックパッカーが訪れるような宿ではないので、日本人と出会う確率は低く、どっぷりドイツに浸れます。もう一度訪れたい宿です。
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