We support unisef | 世界の子どもたちの笑顔のために、わたしたちはユニセフを応援します。 | ||||
Eine Deutschlandreise 2012 ドイツ旅行 (5/5) |
Inhalt 目次 | |||||||||
1 Bis Rostock ロストックまで 2 Um Rostock ロストック周辺 3 Potsdam ポツダム 4 Berlin ベルリン 前編 後編 5 Buchenwald ブーヘンヴァルト |
|||||||||
5 Buchenwald ブーヘンヴァルト | |||||||||
5-1 Konzentrationslager 強制収容所 5-2 Deutsch macht Spaß ドイツ語学習編 5-3 Nachwort あとがき |
|||||||||
5-1 Konzentrationslager 強制収容所 | |||||||||
ドイツ最終日は、ベルリンを朝8時に出発し、ワイマール郊外にあるブーヘンヴァルト強制収容所跡を見学してフランクフルト国際空港まで。ワイマールの天候は晴れ、予想最高気温32度、最低気温15度。つまり最も気温が低かった2日目のロストック(予想最高気温21度、最低気温15度)からすると、最高気温は11度高くなり、日本並みの暑さになりました。 | |||||||||
写真5-1-1 | |||||||||
速度無制限の3車線の直線は、日本では味わえません。 高速道路の沿線に風力発電機が林立。 |
|||||||||
写真5-1-2 | 写真5-1-3 | ||||||||
高速4号線を西へ向かいます。 左:ベルリンを出て約240km。ワイマールまで30km、フランクフルトまで290kmの標識が見えてきました。左下に片側2車線の高速道路が続いています。 右:イェーナ(Jena-Göschwitzインター)を過ぎると峠越えになります。日本ならよくある80km/h規制程度の高速道路ですが、ドイツの高速道路としてはレベルが低いらしく、バイパスとなるトンネルを建設中でした。 Wide.de(※、独語)によれば、高さ288mの狩猟山(Jagdberg)にちなんで狩猟山トンネル(Jagdbergtunnel)と名付けられ、事業費3億5,100万ユーロ(約350億円)、長さ3,100m、片側3車線、完成予想2014年半ば。トンネル完成後、現道は解体予定。さらに読み進むと、当初の計画では危険物車両を通行禁止にすることも考えられたようですが、最終的には1,400万ユーロ(約14億円)かけて防災設備を強化し、通行可能とするとのこと。 ネットで調べると、日本のトンネルの建設費相場も同じくらいのようです。つまり普段何気なく通っているトンネルですら、費用対便益の検討はあるんだなと気づかされます。 |
|||||||||
写真5-1-4 | 写真5-1-5 | ||||||||
左:丘の上に強制収容所の記念碑と鐘楼「自由の塔」(Mahnmal und
Glockenturm Turm der Freiheit)が見えてきました。この記念碑と鐘楼は東ドイツ時代の1954年から1958年にかけて建設。遠くからもよく見える巨大なモニュメントです。 右:ビジターセンターに着きました。ベルリンから約300km。3時間のドライブでした。 |
|||||||||
写真5-1-6 | 写真5-1-7 | ||||||||
左:監視塔付き入場門(Torgebäude)。 右:収容所を取り囲む有刺鉄線。 |
|||||||||
写真5-1-8 30年前 | |||||||||
写真5-1-9 | |||||||||
左:30年前は、11月29日の訪問なので雪が積もっていました。極寒の荒涼とした大地にたくさんの囚人が収容されていたと思うと心が痛みます。 右:今回は8月19日、夏の盛りです。ビジターセンターの職員に30年前の写真を示して、場所を教えてもらい撮影しました。案内板の形状等は変わっていますが、右上の建物は変わらずあります。この建物は現在展示棟となっており、当時囚人の着衣や個人所有物を保管する倉庫だったとのこと。 当時、収容所から眺める周りの緑はまぶしかったことでしょう。そして自由に飛び回る鳥たちを、どんな気持ちで囚人たちは眺めたことでしょう。思い描くだけでも辛くなります。 |
|||||||||
写真5-1-10 | 写真5-1-11 | ||||||||
火葬場(Krematorium) 病理部門、焼却炉、首を銃で打ち抜く装置のレプリカなどが展示されています。 右:エアフルトにあったトッフ&ゼーネ社(Topf und Söhne[鍋と息子たち])の焼却炉。アウシュヴィッツのガス室などの大量殺戮装置を製造し、ナチスに荷担したことで悪名高い会社。 |
|||||||||
写真5-1-12 | |||||||||
バラック建の囚人棟の跡地に銘板がありました。概ね次のようなことが書いてあります。 | |||||||||
誰も別れを告げなかった 誰も十字架や墓石を建てなかった しかし彼らは生きている 人々が彼らを覚えている限り 1944年から1945年にかけてブーヘンヴァルト強制収容所の27のサブキャンプで ナチスの暴力と死の行進で奴隷的労働を強いられ犠牲者となった 30カ国を超える地域から連行された27,000人以上の婦女子の囚人に捧げる Non omnis moriar(ラテン語格言:我は完全には死なず) |
|||||||||
写真5-1-13 展示棟にあった強制収容所の位置図 | |||||||||
赤い楕円がブーヘンヴァルト強制収容所。 黒い三角と煙突のマークは絶滅収容所(Vernichtungslager)。 つまり収容所と言っても、政治犯などに強制労働を行わせた「強制収容所」と、ユダヤ人等の殺戮を目的とした「絶滅収容所」があったことがわかります。絶滅収容所はアウシュヴィッツ他、ドイツ占領下のポーランドの6カ所。一方強制収容所はドイツ国内にもありました。 ①アウシュヴィッツ(正式にはアウシュヴィッツ=ビルケナウ) ②ザクセンハウゼン(ベルリン郊外) ③ダッハウ(ミュンヘン郊外) 娘からは、当初アウシュヴィッツへ行きたいと言われました。わたしもまだ行ったことがないので、できることなら行程に入れたかったのですが、何せベルリンから東へ500km以上あるため、限られた日程では無理があります。そこでベルリン郊外の②ザクセンハウゼンも候補に上げましたが、最終的にはベルリンからフランクフルトへ戻る途中にあることと、30年前に行った場所をもう一度訪れてみたいと思いブーヘンヴァルトにしました。 |
|||||||||
写真5-1-14 | 写真5-1-15 | ||||||||
ビジターセンターの隣にカフェテリアがあったので、ここでお昼にしました。 飲み物はそれぞれ注文しましたが、食べ物は写真にある一皿だけ。クリームマッシュルームとジャガイモ添えのカツレツ(Schnitzel mit Rahmchampignons und Kartoffeln)7.50ユーロ。別にけっちたわけじゃなくて、量が多いので家族3人これで十分でした。運転中なのでビールでなくスプライトです。 昼食の後、フランクフルト国際空港まで約285km、3時間のドライブです。 |
|||||||||
写真5-1-16 | 写真5-1-17 | ||||||||
左:旧東ドイツ地域は、交通量が少なく快適なドライブです。 右:フランクフルトが近づくと交通量が増え、時速120kmの速度制限がかかります。 標識は上から、スイスのバーゼル シュトゥットガルト フランクフルター・クロイツ(ジャンクション)。このジャンクションのそばに空港があります。 シュトゥットガルトはわかるとしても、今走っている高速5号線がスイスのバーゼルまで続いていることを実感します。フランクフルトからバーゼルまで約320km。いくら走っても楽しいドライブなので、このまま走って行ってみたい気分です。 空港の手前で給油して、空港到着は予定通りの16時半頃。ただそれからが大変。空港が広すぎて、ターミナル1へ戻らないといけないのに、ターミナル2に迷い込むなどなかなか車の返却場所までたどり着きません。結局30分ほど迷走してなんとか無事帰り着きました。 |
|||||||||
2日続けて同じメニュー。違うものはないのか?と思われそうです。実はドイツにも沢山の郷土料理はありますが、私自身グルメじゃないのでバリエーションがないんです。料理研究家にはなれそうにないですね。 |
|||||||||
写真5-1-19 夕日に輝く雲海 | |||||||||
娘が撮影。夜9時、予定通りドイツを飛び立ちました。 病気・怪我・紛失・盗難・物乞い・押し売りなどなく、予定のコースをほぼ予定取り。添乗員兼通訳兼運転手兼荷物持ちの役目を全うできた、と自負しつつ、一番楽しんだのは自分だったりして。 また、掲載した写真の数々をご覧いただいてわかるように、連日の晴天。雨に降られたのはベルリンでの数時間だけでした。気温はカッセルの最高気温23度、最低気温9度から始まってだんだんと暑くなり、最後のワイマールは最高気温32度、最低気温15度と日本の夏並みに。ただ湿度が低いのでしのぎやすくはありました。 |
|||||||||
5-2 Deutsch macht Spaß ドイツ語学習編 | |||||||||
この項はドイツ語学習者向けです。初級から中級まで、ドイツで遭遇するであろうシーンを今回の旅行からご紹介します。メジャーな観光地であれば英語で事足りますが、ドイツ語ができると楽しさが増します。 | |||||||||
まずは、初級から。 Toilettenと複数形になっています。なるほど、家のトイレなら単数。ブースや便器が複数あれば、複数形なんですね。さてどっちに入るか。メジャーな観光地なら、男性・女性のシンボルマークがあったり、英語で書いてあったりしますが、ここ2-1 オストゼーバート・ニーンハーゲンは、ローカルなので独語だけで足りるのでしょう。 昔、Herren(男)は「ヘーレン(入れん)」じゃないか、Damen(女)も「ダメ」だから、どちらにも入れない!という冗談を聞いたことがあります。 |
|||||||||
砂浜の入り口に標識がありました。 Aktuelle Temperaturen 現在の温度 Wasser 17℃ 水温17度 Luft 16℃ 気温16度 この「17」は、典型的なドイツ人の書き方。16度の1も左の斜線が長いですね。30年前、ドイツにまだなれない頃商店で、店員が言う金額が聞き取れなくて紙に書いてもらったら、店員さんが丁寧に書くと1の左の斜線がますます長くて、いったい数字なのか何なのか面食らったことを思い出します。 ところでバルト海はこれで真夏。それでも水につかっている人がいたのには驚き。日本人だと震え上がりそう。 ちなみに私がいつも行っているスポーツクラブの温水プールは、31度前後です。 |
|||||||||
本日のおすすめ Empfiehlt heute | |||||||||
写真5-2-3 | 写真5-2-4 | ||||||||
左:ショーケースに商品が並んでいれば、指さしで注文すればすみますが(3-1 シュトルパー・ハイデ・サービスエリアで)。右のようにメニューの看板だけでは、ドイツ語がわからないとお手上げです(2-2 バート・ドーベランにあったインビス(軽食スタンド)で)。意外とこんなお店がおいしかったりするんですよね。それでは看板を見てみましょう。知識が浅いのでドイツ人にアドバイスを受けて書き出します。 | |||||||||
|
ペアのウィンナー、パン付き ペアのウィンナー、サラダ付き(ポテトサラダ) 小型のソーセージ |
||||||||
ボック・ヴルスト、パン付き ボック・ヴルスト、サラダ付き(ポテトサラダ) ウィンナーよりも大きめでドイツでポピュラーなスモーク・ソーセージ。名前の由来は、ボックタイプのビールと一緒に食べたことから。 |
|||||||||
クナックヴルスト、パン付き クナックヴルスト、サラダ付き(ポテトサラダ) バッキとした食感が特徴のあらびきソーセージ。 |
|||||||||
グーラッシュ、パン付き ハンガリー起源のシチュー料理。私のお気に入りです。 ソリャンカ、パン付き ウクライナの郷土料理で、味の濃いスープ。東欧出身者が多い旧東ドイツ地域で提供される料理とのこと。 |
|||||||||
halbes belegtes Brötchen 半分に切ったパン ソーセージの薄切り付き 挽肉付き(生!なのでリスク注意) サラダ付き(ポテトサラダ) ハム付き |
|||||||||
Je nach Angebot 以下もご提供できます。 カツレツ 塩漬けにした豚のあばら肉のカツレツ ミートボール、パン付き ミートボール、サダタ付き (カップの)コーヒー ソーセージはすべて自家製です。 |
|||||||||
ここまで調べてやっとこのメニューの全貌がわかりました(笑い)。この写真を撮ったときは、食べるチャンスがなかったので、次回は注文してみたいものです。 | |||||||||
氷河期? | |||||||||
写真5-2-6 | 写真5-2-7 | ||||||||
「Eiszeit」を直訳すると「氷河期」になってしまいますが、ここでは「冷たいデザートの時間」くらいの意味でしょう。ベルリンの百貨店カー・デー・ヴェーのセルフ式レストランで。 看板の表示は、上から ●Eiskugel mit Waffel ワッフルに盛られたアイス 2.95ユーロ これはベルリン前編>写真4-3-11 ●Eiskugel ohne Waffel ワッフル無しのアイス 2.70ユーロ 写真5-2-7の右側。 ●Eispokal mit 3Kugeln トリプルアイスの高脚杯盛り 3.75ユーロ 写真5-2-7の左側。
実は4.ベルリン後編>写真4-7-15の夕食にも同じようなデザートが写っているので、3泊4日したベルリンで、3回この百貨店のレストランに行き、デザートを食べたことになります。 ビールとソーセージ又はグーラッシュ、それにデザートがあればOK。つまり酒も甘いものも好きなんです。 ワンパターン過ぎて申し訳ないくらいですが、グルメじゃないのでお許しを。 |
|||||||||
シリアルメニュー | |||||||||
写真5-2-9 | |||||||||
●Knusper-Müsli (カリッとした)ミューズリー。写真を拡大してみると、コーンフレークも混じっているみたい。 ミューズリーはWiki(※日本語)によれば「エンバク(燕麦)を中心とした数種類の未精製・未調理の穀物とドライフルーツ、ナッツ、種子類などを混ぜ合わせたシリアル食品の一種である。」とあります。 ●Cornflakes コーンフレーク ●Schoko-Müsli チョコ・ミューズリー ●Crunchy-Müsli Exotic クランチ・ミューズリー エキゾチック キャンディーの砕いたものなどが入っているみたい。 ミューズリーは天然の食物繊維を多く含んだヘルシーフーズらしく、チャンスがあったら試してみたいものです。 |
|||||||||
環境保全 | これは、1-2 ベストウエスタン・グランド・シティホテル・カッセルのサニタリーに貼ってあった表示。英語併記だしイラストもついているので訳すまでもないとは思いますが念のため。
環境保全にご協力ください。 タオル交換をご希望の場合、タオルは床かかごに入れてください。 タオルを引き続きご利用の場合、タオルはラックに掛けてください。 環境のために! 改めて、タオル1本洗うのに、電気、水道、洗剤などのエネルギーを消費している事を感じ、趣旨としてはいいなと思います。 |
||||||||
写真5-2-11 | |||||||||
防災センター 前回の旅行で「BMZ」と書かれた標識をたびたび見たのでなんだろうと思って調べたら左の写真にある「Brandmelderzentrale(火災中央司令室)」の略だということがわかりました。 今回の旅行で、そのフルスペルの表示を百貨店カー・デー・ヴェーで見つけました。ドイツ語らしい長い単語ですね(笑い)。ロケ地探訪6>防災センターでは、「せめて略語の下に小さくてもいいからフルスペルで書いてくれるとありがたい。」と書いたのですが、とっさの時は略称の「BMZ」の方が認識しやすくベターかな。 |
|||||||||
写真5-2-13 | |||||||||
ついゴミを入れたくなってしまうゴミ箱 ベルリンの目抜き通りクーダムで見かけたゴミ箱。ベルリンに限らず、どこの町のゴミ箱にも書いてある文章がジョークに富んでいるようなのですが、貧弱なドイツ語だとなかなか読み取れません。取り合えず写真に納めてきて、調べてみました。記載事項はドイツ人にアドバイスをいただいて検証しております。 |
|||||||||
Viel Glück und viel Fegenのオリジナルは、「Viel Glück und viel Segen(ご多幸と祝福)」という、「Happy
Birthday to You」と同じように誕生日などに歌われるドイツ人なら知らない人はいない曲。 それをもじった「Viel Glück und viel Fegen」を素直に読めば「ご多幸とたっぷり掃除を」でしょうか。 さらにfegenには「・・・と性交する」という意味もあるので、ドイツ人ならプスと笑ってしまうことでしょう。 |
|||||||||
写真5-2-14 | |||||||||
英語の「Happy Birthday(お誕生日おめでとう)」に掛けた「Happy Bürstday」。 動詞で「bürsten(ブラシをかける)」があるので「ハッピーなブラッシングの日」でしょうか。 これも別に「・・・と性交する」という意味もあるので、これも別な意味で文章として成り立っているところがあっぱれ。公共のゴミ箱として設置できる寛容さがあるのでしょう。 |
|||||||||
写真5-2-15 | |||||||||
これも英語の「With best wishes(ご多幸を祈って)」に掛けてあります。 ドイツ語にWischesという単語はなく、「Wischer(ぞうきん、モップ)」があるので、表向きは「ベストなぞうきんと共に」でしょうか。 別に「小言」という意味があるので「最大限の愚痴と共に」でしょうか。 |
|||||||||
写真5-2-16 | |||||||||
ドイツ人によれば、男性が自分の部屋にこの単語が書かれたゴミ箱を持っていたら、愉快な人。逆にこの単語が書かれたゴミ箱をプレゼントしたら、大変な事になるだろうということでした。 ネットでこのゴミ箱に対するドイツ人のコメントがありました。「Ordnung und Sauberkeit: deutsche Tugenden. Witz gehört offenbar auch dazu.(秩序と清潔はドイツの美徳だ。そしてジョークもまた明らかにそのひとつである。」 |
|||||||||
何を召し上がりますか。 | |||||||||
この黒板メニューを七転八倒して(ちょっと大げさかな)調べたところ、上から Dorsch (バルト海の小型の)タラ Zander ホタルジャコ(スズキ目の淡水魚) Peter(s)fisch マトウダイ Knurrhahn ホウボウ Herring ニシン Scholle カレイ Seezunge シタビラメ Dazu machen Wir 付け合わせ Speckkartoffelsalat oder ベーコンポテトサラダ 又は Stampfkartoffeln マッシュポテト Tagesgemüse: €2.9 Bunte Möhrchen 今日のサラダ 2.9ユーロ カラフルな人参の細切れ |
|||||||||
写真5-2-19 Dorsch タラ | 写真5-2-20 Zander ホタルジャコ | ||||||||
左:妻が食べたタラ、右娘が食べたホタルジャコ | |||||||||
5-3 Nachwort あとがき | |||||||||
5-3-1.帰ってきました 無事我が家へ帰ってきました。単調な運転は退屈ですが、幸いドイツでのドライブ中は、緊張感からか、高速で飛ばす快感からか、やり過ごすことができました。ところが福岡空港から我が家に戻る時が大変でした。日没後なので気分転換するような景色は見えず、高速道路は制限速度でそろりと走るだけ。しかも帰国して緊張の糸が切れたのか、眠たくてたまりません。パーキングエリア毎に休憩して家路をたどりました。 5-3-2.合格点はもらえたかな 今回は家族旅行なので、妻や娘に楽しんでもらうことを第一に考えましたが、以下の点などが、昨年の兄弟旅行の経験が活きました。 ●全行程レンタカーにしよう
列車の乗り降りや石畳の町並みを重いスーツケースを引いて移動するのは骨が折れます。男二人の兄弟旅行や若者のバックパッカーならともかく、家族の事を思うと列車での移動はやめてレンタカーにしました。昨年の兄弟旅行で1日レンタカーを借りてみて、ドイツの道路を走る自信がつきました。この経験がなければ、20年ぶりのドイツをいきなりレンタカーで全行程走ろうなんで勇気はなかったと思います。 ドイツの道路はよく整備され、標識もわかりやすいため、車載ナビがあれば迷うことなく快適に走る事ができます。過信とおごりは禁物ですが。 ●アパートホテルは広めをとろう 日本に馴染みがないアパートホテル。キッチンや食器、場合によっては洗濯機・アイロンなども付いている部屋があって、ホテルよりも自由度の高い滞在ができます。 とはいえ、今回の旅行程度ならホテル連泊でもかまわないと思いますが、私の希望として「スーパーで買い物をして、できるだけ日常に近い生活をしたい」、つまり旅行だから非日常を楽しめばいいのですが、私の場合は、かつて暮らしたドイツでの生活を疑似体験したいわけです。
但しアパートホテルのくせ者はベッド。予約サイトでは、ソファベッドも使った最大宿泊人数が書いてあります。2ルームと書いてあれば1LDK、つまり寝室とリビング・ダイニング・キッチン。このときの注意はベッドの種類。たとえば寝室にダブルベットがあって、リビングのソファベットに二人で寝るとして、最大4人が泊まれることになります。カップルならダブルベッドでもいいですが、昨年の兄弟旅行ではそれまでアパートホテルに泊まった経験がなかったので、予約サイトの情報をうまく理解できず失敗もありました。 ミュンヘンのアパートホテルでは、私がダブルベッドに寝て、弟がリビングのソファベットに寝ましたが、ソファベットだと思っていたものが単なるソファで、寝るに耐えないものだったのです。結局、弟は床に寝たりして、迷惑をかけてしまいました。今思えば、このソファでは寝られないと分かった時点で、チェックイン後でもエキストラベットを手配すればよかったのですが、機転が利かなかったですね。 それとミュンヘンは観光地なので宿泊費も少々高め。中途半端な広さのアパートホテルに泊まるくらいなら、ホテルのシングル・ルームを2部屋とった方がマシでした。 それで前回の反省もふまえ、部屋の数、ベッドの種類と数をしっかりチェックして、今回のベルリン・ 4-2 アパートホテル・ヴェガは家族3人には十分な広さ(96㎡[約29坪])の部屋を予約。鉄道高架の騒音を除けば、想像以上の居住性に家族にも満足してもらえました。 昨年迷惑をかけた弟には、次回行くチャンスがあれば、キングベッドで大の字になって寝かせてあげなければ(笑い)。 というわけで、昨年の兄弟旅行の経験無しには、今回の旅行のお膳立てはできなかったと思います。 5-3-3.素晴しい日本 日本へ帰って来て思うことは、山あり海あり変化に富んだ自然。そして新鮮な海の幸、山の幸がふんだんにあり、繊細で手の込んだ料理。人々の暖かいおもてなしの心。やっぱり日本っていいな、と思います。 これも年取ったせいでしょうかね。二十歳そこそこで1年間住んだときは、帰国を迎えてもう帰らなくちゃならないのかと、ホームシックとは全く無縁で、たぶんそのままドイツにいれば、ドイツの生活に馴染んだと思いますが、もう日本での暮らしが染みこんでしまったようだし、外から見ると日本の良さを感じます。 でもドイツも大好きです。ミュンヘンで飲むビールは格別だし、ハム・ソーセージや乳製品、スィーツも本場ならでわ。雰囲気とか匂いとか、日本と違う全てが私にとって魅力的です。 たとえばドイツだと毎日シャワーで全く平気。きっと乾燥した気候だからでしょうか。バスタブにつかろうなんて気にはなりません。一方日本だと温泉にゆったりとつかって、疲れをとる快感はなんでしょう。高温多湿の気候がそうさせるのでしょうか。全ては風土、気候、生活習慣、食材・料理などに関係していると感じます。当分は日本とドイツの「いいとこどり」をして楽しみたいと思います。 5-3-4.錆び付いたドイツ語を蘇えらせなければ はっきり言って観光なら英語で十分です。英語とドイツ語は兄弟みたいなので、ちょっと困っていると親切なドイツ人は流ちょうな英語で話しかけてくれます。私がドイツ語で答えても、やっぱり英語で! これは日本も同じですが、ドイツらしいドイツ、つまり観光客が行かないような場所を楽しもうと思ったら、ドイツ語は必須。 仕事にかまけてドイツ語は忘れ去っていたのですが、今回のような旅行を夢見て、平成10年前後から復習を始め、4年がかりで平成19年に独検準1級を取得しました。今も日常的にインターネットでドイツのニュースやドラマを見ているので、少なくとも聞き取りは20年ぶりに行っても抵抗ありませんでしたが、話す方はまだまだ努力が必要だなというのが実感です。 目標は、ドイツ語の映画を字幕無しで見られるようになることと、ドイツの役所に通訳抜きで単身で乗り込んでビジネスの話ができるくらいになりたい。普段話す機会がないので、ドイツ語で日記(ブログ)を書く事もやってみて、確かに効果がある事は実感しますが、なかなか続かなくて。少年老い易く学成り難し。「お達者で」と言われるようになる前に、成果を上げたいものです。 5-3-5.国内旅行と変わらず インターネットのおかげで、海外旅行の垣根が著しく低くなりました。ネットで航空券、交通手段(レンタカーやドイツ鉄道の座席予約)、宿(国内旅行は楽天トラベルですが、ドイツは主にBooking.com(※、日本語)を利用しています)が予約できるうえ、Googleストリートビューで現地の状況が分かります。観光地の情報もネットにあふれています。しかもこんな片田舎にも日本人が行ったことがあるのか、と驚くほど日本語での情報があります。 また、現金を持って行かなくてもクレジットカードが使えるし、いざとなれば現地のATMで現地通貨で現金を引き出すこともできます。ドイツなら買い物には不自由しないし、極端に言えば、国内旅行の準備にパスポートさえ加えれば、そのまま海外へ飛べます。行ってみて予想以上に寒かったり暑かったりすれば、そのままH&Mなどに駆け込めばいいんです。昔は私にあうサイズの服(ドイツ人ならSサイズ)がなかなかなくて苦労しましたが、今やサイズも種類も豊富です。 まあ国際運転免許証、電気の変換プラグ、海外旅行傷害保険など、海外旅行ならでわのものも、ないわけではありませんが。
それと語学の未熟者には忘れてはいけないものがもう一つ。電子辞書。かつては紙の辞書を持ち歩いていましたが、携帯するには軽い方がよいものの語彙が限られるし、学習が進んでくるとより詳しい方がいいけれど、私が持っている紙の独和大辞典は2.2kgもあります。それが電子辞書だと250gの筐体に入っているなんて便利な世の中になりました。しかもコンテンツを追加しても重くならない(笑い)。 携帯電話も料金を気にしなければ、手持ちの携帯電話を国際ローミングでそのまま使えるし、Wi-Fiがあれば、いつものサイトにいつものようにアクセスできて、話し相手が欲しければSkypeやLINEで日本の家族・友人と通話料を気にせず無料で心おきなく通話できます。逆に言えば「ドイツにいながらにして、ふんだんに日本の情報にアクセスできる」わけで、部屋にこもってしまえば、日本もドイツもないみたい。あちらには日本食もたくさんあったので、ホームシックにはなりにくいかもしれませんね。日本のものが欲しければ、日本の通販サイトにアクセスして、ドイツへ送ってもらうことも可能!つまり今や「日本に居ながらにてドイツする。」ことも「ドイツに居ながらにして日本する。」ことも可能。昔は、語学ができるようになりたければ、日本人との接触を断ち切って現地に飛び込め、と言われたものですが、通信手段の発達で、強固な意志がないと、日本との関係を断ち切ることは容易ではないですね。 5-3-6.通信デバイスはいつも使っているものでOK
持参したのは、携帯電話とノートパソコン。メールチェックはホテルのWi-Fi回線を使ってノートパソコンで。携帯電話はアドレス帳としての利用だけ行い、通話は非常用のみ。携帯メールもそのまま受けるとパケ代が恐ろしくかかってしまうので、日本を発つ前にGmailに転送する設定にして、現地ではノートパソコンでチェックしました。他には昨年ドイツで買ったスマホSamsung Star ⅡGT-S5260(右写真)。プリペイドのSIMを買って差し込んで使います。ドイツ国内の通話はこれで。ドイツの知人に、日本の携帯にかけてもらうと国際通話になってしまい迷惑をかけるので用意しました。ドイツのスマホは、帰国後はミュージック・プレーヤーとして使っています。 5-3-7.治安はよい方だが、貴重品は自己管理で 一般的にドイツの治安は、ヨーロッパ諸国の中でもよい方だと言われます。それでも最近聞いた話では、 ●観光地でコスチュームを着た数人が、写真を撮ってあげるとまとわりついて、撮ってもらったら、友人とふたりで40ユーロぼったくられた。 ●マックで向かいに座っている友人に荷物見ててねと言ってトイレに立って帰ってきたら、荷物がなかった(友人は食べることに一生懸命だったらしい)。 ●私も知人から、「車外から見える場所にバックなどを置いて車を離れないこと。ガラスを割って取られるよ。」とアドバイスを受けました。 ●また別の話で、後付けのカーナビを車を駐車するたびに取り外して携行する、ということも聞きました。 確かに貴重品には日本以上に気を遣います。日本で青年がズボンの後ろポケットから大きな財布をはみ出させていますが、あれなんかドイツではNGですね。今回の旅行では幸いトラブルはありませんでした。 一方、痴漢はほとんどないそうです。知人によれば、社会的制裁が大きいとのこと。ネットによれば「ドイツ人女性は気が強い人が多いから、その場で声を上げるか急所を蹴り上げる。」とのこと。 5-3-8.高速道路事情 ところどころで書きましたが、快適なドライブでした。高速道路について補足すると、 ●今回走ったコースは、感覚的には速度無制限区間が5割くらい。片側3車線以上が3~4割、片側2車線が6~7割。工事で片側1車線区間もありはしましたが、どんなに田舎でも片側2車線あります。 ●制限速度がかかっている区間(120km/h前後)、工事中の区間(80km/h)、交通量が多かったり・渋滞などもあるため、ならすと休憩込みで100kmを1時間のペースでした。 ●日本のサービスエリアに相当する売店・レストランがあるようなパーキングのトイレは、ほぼ有料(50セントが相場)。一方パーキングエリアに相当する無人のパーキングのトイレは無料ですが、トイレットペーパーはありません。ちなみに売店でビールを売っています。ドイツ人にとってビールは水代わりなんです。 ●制限速度はかなり厳格に守られている印象でした。速度無制限区間が終わり制限速度区間が始まると、車列の流れが一気にダウンします。みんな一斉にアクセルを戻す感じです。 ●大都市周辺の交通量が多い区間は、少々マナーが悪い感じです。日本だと「無謀」と思えるようなタイミングでも、ウインカーもつけずに平気で割り込みしてきます。乗用車のみならず大型トラックもお構いなし。それも150km/h前後の高速域でも。ドイツ人は高速域に慣れているから平気なんでしょう。 ●高速道路事情については、Young Germany Japan(※、日本語)のアウトバーン攻略法(※、日本語)がおもしろいので、先々アウトバーンを走ってみたいという方は是非ご覧下さい。私も次回は胃腸薬とトイレットペーパーを用意しておこうと思います。 |
|||||||||
写真5-3-5 | |||||||||
5-3-9.人間ウォッチング
私の撮影した写真は、景色、建物、車、食べた物、ドイツ語標識などですが、娘が撮影した写真には人物が多くあります。驚くべきは、カメラ目線のものも。私がカメラマンなら恐ろしいしっぺ返しを受けそうですが、女の子だからまだ許してもらえるようです。 その中から、個人の特定ができず公開しても差し支えなさそうな画像をご紹介します。 |
|||||||||
写真5-3-7 | 写真5-3-8 | ||||||||
左:靴・靴下・服は白黒でまとめています。たぶん兄弟で、親のコーディネートなのでしょうがなかなかおしゃれ。ベルリン・クーダムで。 右:自分が乗っていたであろうベビーカーを押す姿がいじらしい。ヴァルネミュンデで。 |
|||||||||
写真5-3-9 | 写真5-3-10 | ||||||||
左:犬と遊んでいるのか、犬から遊ばれているのか。ロストック中心部で。 右:ラブラブな親子。日本だとここまでのスキンシップにはなかなかいかないですね。ポツダム・サンスーシ宮殿で。 |
|||||||||
写真5-3-11 | 写真5-3-12 | ||||||||
左:キスするアベックは日常的に見かけますが、こんな大胆なキスもありなんですね。ロストック中心部で。 右:ストリートミュージシャンを取り囲む人達。右の男性も、中央の女性も、H&Mの大きなショッピングバックを持っています。ベルリン・クーダムで。 |
|||||||||
5-3-10.おみやげ 大したものは買っていません(笑い)。チョコレートがおいしく手軽でおすすめなのですが、盛夏の日本で溶けることを恐れて、今回はクッキー類にしました。 |
|||||||||
写真5-3-13 親族へ | 写真5-3-14 会社関係へ | ||||||||
左:黄色いパッケージは、クーヘンマイスター社のレモンケーキ。この会社のクリスマス・シュトーレンは日本にも入ってきます。 右:チョコサンド・クッキー。多くの人に配るのに、お手軽でよかったです。 右のカップ麺も話題提供には最適。
|
|||||||||
写真5-3-16 | 写真5-3-17 | ||||||||
こちらは自分へのみやげ。 左:アンペルマンのエコバッグ。日常用に使おうと買ったものの、もったいなくてタンスの肥やし。 右:ニベアのハンドクリームとリップクリーム。ありきたりのものですが、こんなもので毎日ドイツを感じるのが好きです。 他には、H&Mでポロシャツ2枚、靴下、下着。TVドラマのドイツ版DVDなどを買いました。 |
|||||||||
5-3-11.皆様に感謝 いくらお盆休みの前後とはいえ、業務最盛期に職場を10日間も空けてしまい、理解ある職場の皆様に感謝いたします。また日本に残してきた親族が健康だったために、安心して旅行を楽しめました。 そしてロストック在住の友人には2年続けてお世話になりました。さらに、このページを作るに当たり、語学の先達の皆様にアドバイスをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。 今回は家族の休暇旅行でしたが、次回はまた仕事のネタ探しの旅をしてみたいと思います。雑多な旅行記を最後までお読みいただきありがとうございました。 2012.12.31最終更新。 |
|||||||||
4.Berlin | 1.Bis Rostock | 2.Um Rostock |
3.Potsdam | 4.Berlin | 5.Buchen -wald |
Vergangene Artikel バックナンバー |
●2011 ドイツ兄弟旅行 2011年ゴールデンウィークに兄弟でドイツ旅行をした記録です。 |