概要 | 建物紹介 | 賃貸紹介 | OM | 雨水 | 建築費 | 竣工まで | 書籍紹介 |
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幸福の家ができるまで | |||||
土地探し | |||||
平成9年1月頃から、本格的に土地探しを始めました。 設計監理をお願いする建築士と住宅部分をお願いする工務店は、以前からつき合いのある方に決めていたため、建築条件の無い土地や古家付の土地を探しました。 住宅ガイドを見たり、毎週土曜日は宅建業者回りです。 予算は限られているので、「郊外の広く安い土地」か「狭くても中心部に近い高い土地」か迷いましたが、さんざん見て回ったあげく、結局そのとき住んでいたところからあまり離れていない「狭くても利便性の良い土地」に決めました。南に6mの道路があり、道路から1.5mほど高い奥行き約13m、間口約9mの約35坪の土地です。南に障害物が無いので、OMソーラーには適した土地です。 結局住宅ガイドでは見つけることができず、地元の宅建業者の店頭に掲げてあった物件でした。 やはり、良い物件を探そうと思うと、足でかせぐしかないようです。 平成9年7月17日、土地の売買契約をしました。そして、近所にはその日のうちに挨拶回りをしました。 |
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建物の計画 | |||||
12月6日地鎮祭 |
土地が決まれば、次は建物の設計です。 私自身一級建築士ですが、建物の調査・鑑定・評価の仕事を主にしており、住宅の設計はしません。そこで、私の知人で住宅の設計を得意とし、しかもOMソーラーの経験がある知人の建築士に設計監理をお願いしました。 私からは希望を書いたメモやラフスケッチを渡して、その知人に「建てられるような」図面にしてもらいました。この打ち合わせを毎週土曜日に行い、プランを煮詰めていきました。 合わせて、OMの計画も工務店とやり取りをしました。 一方では、銀行と融資の話も。 そして、平成9年11月27日建築確認申請を出すところまでこぎ着けました。 建築確認が降りたのが年の瀬も押し迫った12月18日。着工は年明けとなりました。 |
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このように書いてくると、プランがすっとまとまったようですが、これがなかなか大変です。 まず、建物の構造とコストの兼ね合い。 木造にするか、鉄骨造にするか、鉄筋コンクリート造(RC)にするか。私は、日本の風土には木造が合っていると考えていますので、木造の住宅に住みたいと思い、RC造り車庫に木造の住宅を乗せましたが、全てを鉄骨造とする選択肢もあります。 また、容積率をめいっぱい使って4階建てとし一部賃貸に回す事も考えました。費用対効果の計算は仕事柄お手の物です。結果は費用をかけて大きく造っても賃料が借金返済に回るだけで、あまりメリットが無かったので、今の大きさに落ち着きました。 次は、平面プランとOM関連の設備をどの様にまとめるか。 希望の間取りを取ると、吹き抜けが取れません。そこで、一部グレーチングを敷いて、暖かい空気が上へ登るようにしました。 実際住んでみると、グレーチングから暖かい空気が登ってくるのが感じられます。 また、立下がりダクトが邪魔にならないような平面プラン、機械室の位置など、さらには手持ちの家具が納まるような平面プランや窓の位置、通風・採光など、土地が狭いと間取りは制約が大きいので、全体をまとめるのは苦労しましたが、設計を頼んだ知人とワイワイガヤガヤと予算をにらみつつ知恵を出し合ってプランをまとめるのは楽しかったです。 OMを効かせるには、棟ダクトが長い方がよい(東西に長い建物の方が長く取れる)のですが、我が家は土地が南北に長いため、棟ダクトが短めになり、ほんとにOMが効くだろうかと心配しましが、工務店が事前にいろいろな対策やシミュレーションを示してくれたため、安心しました。 棟ダクトが短い欠点は、ガラス付き集熱面のガラスを縦に2枚並べて(下に写真があります)集熱効果を上げることで解決しました。 間取りの山場は、和室でした。 生活は、洋式になってきたとはいえ、祭事や来客の寝室としてフレキシブルに使える和室は欲しいものです。和室といえば、4.5帖間、6帖間、8帖間などの間取りが浮かびます。最低でも4.5帖は欲しいところです。ところがどうしても平面上きれいに納まらないのです。 さんざん悩んだあげく、今の4帖に落ち着きました。できてしまえば「コロンブスの卵」ですが、和室の間取りの固定観念があって頭が少々固くなってきたかなと感じています。この4帖は、6帖間なみに使い勝手が良くて満足しています。 雨水関係は、自分で調べ回りました。 文献をあたったり、知り合いの設備業者にアドバイスをもらい、自分でコンピュータプログラムを作って解析したりして、プランを決め、雨水設備にも詳しい設備設計の方に具体的な施行図面を引いてもらいました。 |
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工事の流れ | |||||
鉄筋コンクリートの車庫と、木造の居宅は、それぞれ得意とする工務店へ分離発注しました。 鉄筋コンクリート工事を得意とする工務店の見積を数社取り、施行業者を決定して、契約したのが1月27日。 車庫工事に着工したのが2月2日でした。敷地いっぱい土砂を取り除いて、車庫を造ります。 写真は2月19日、車庫底版の配筋をしているところ。 |
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鉄筋を組み立て、型枠を組み、コンクリートを流し込んだのが3月11日、10日ほどするとコンクリートが固まって、3月21日型枠が取れて、車庫が表れました。 | |||||
車庫ができあがると、次は居宅の工事です。 写真は、4月4日蓄熱コンクリートの打設をしているところです。スタイロフォームの断熱材と、配筋が見えます。 |
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4月19日棟上げ当日。餅まきをしました。 | |||||
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蓄熱コンクリートと床下地の様子。 最近はもっと床下の高さを取るそうです。 |
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屋根、外壁、外部建具の工事が進みます。 写真は、5月17日外壁が貼られています。 |
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7月に入って、樋等の取付が終わり、足場がはずれて、建物の全容が表れます。 写真は、7月5日の様子です。まだテラス前の手摺や、子供部屋の面格子等は付いていません。 この後、7月末の竣工を目指して、内装・電気・給排水・OM等の工事が進みます。 |
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工事は淡々と進んだような感じですが、「建物の計画」と同じく、なかなか大変です。 注文住宅は自由すぎる!? 当然と言えば当然ですが、注文住宅はフルオーダーですから、壁の色・素材、取っ手の一個、照明器具、蛇口のデザインに至るまで、全て自由です。その気になれば、世界中から好みのものを探して、建物に取り込む事ができるわけです。 普段、住宅を設計し慣れている設計者であれば「おはこ」があって、その中からからの選択になるのでしょうが、私の場合はそれがありません。設計監理を依頼した知人に任せておけばいいのでしょうが、やはり自分が住む家だし、建築士の端くれなので、自分で探して決めたくなります。そこで、カタログの山と時間の戦いでした。しかも、施行経験がないので、注文していざ取り付ける段になって取っ手がとりつかなかったり、照明器具がはまらなかったり、工務店にはさんざん迷惑をかけてしまいました。 マンションもいいかも!? 私が建築士になりたいと思ったのは、自分の家を設計したかったからです。だから、「マンションを買う」と言うことは頭からありませんでした。 しかし、家を建ててみて、完成した喜びは大きいですが、土地探しから始まって、銀行と融資の話、設計、工務店とのやり取り、施工中の近隣への配慮など、何かと大変です。これなら、融資の面倒な話も販売業者が面倒を見てくれ、買えばすぐ住めるマンションもいいかなと思ってしまうし、マンションが良く売れる理由も分かりました。 |
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竣工記念に日本タオルを作り、工事関係者・親戚・友人に配りました。 |
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