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私が見たドイツ映画 | |||||||||||||||||
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Nordwand | ||||||||||||||||||
ノース・フェイス - アイガー北壁 | ||||||||||||||||||
08/独/ドイツ語字幕/ドイツ語版/126分/DVD 監督:フィリップ・シュテルツル 出演:ベンノ・フュルマン、ヨハンナ・ヴォカレク、フリリアン・ルーカス 解説:1936年夏、二人のドイツ人青年登山家が、アイガーのNordwand(北壁)に挑戦し、Mordwand(殺人の壁)に散った史実に基づく山岳映画。 |
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をドイツから取り寄せたDVDで見ました。凄い迫力で山が飛び込んできます。結末を知っていても、死と隣り合わせのスリリングな展開に、画面に引き込まれました。最初字幕無しで見たら、スイス方言が聞き取れず閉口。2回目はドイツ語字幕を出して、私の語学力でも十分楽しめました。どこかに書き記しておきたいと思いつつ、1936年の実話を題材にした山岳映画と、現代のアクション刑事ドラマでは接点が無いよな、と思っていたら実はあったんです。 アウトバーンコップの第93話で犯人らがアジトに使っている、中央の大きな吹き抜けが印象的な建物。この建物は「Nordwand」でベルリンの新聞社の社屋でした。メイキングで「ケルンで撮影した」と言っています。工場地帯に立地し、高速道路も近くにあって、雑音に苦労した模様。 この「Nordwand」は下敷きがあって、史実については、私がネット検索した結果、アルゴノートの冒険 12※の[アイガーの殺人岩壁]が参考になりました。一言でいえば、二人のドイツ青年が、アイガーのNordwand(北壁)に挑戦し、Mordwand(殺人の壁)に散る物語。 DVDについて DVDには、たぶん一つの番組としてTV放送されたのだろうと思えるメイキング映像や、ボツにされたのがもったいないと思える未編集シーンなど盛りだくさん。映画に対するスタッフの熱意が伝わってきます。 キャスティング 主人公のトニー・クルツを演じたベンノ・フュルマンは、「アナトミー」で主人公パウラ役のフランカ・ポテンテを痛めつける悪役だったため、自分の中でそれ以来印象がよくありません。「戦場のアリア」で見たときも、冷たい感じに嫌悪感。今回DVDのメイキングを見ると、真摯に役作りに取り組んでいる様子がうかがえます。役の上のキャラクターをしっかり演じられ、見る人にキャラクターの印象をきっちり与えることができると言うことは、それだけ素晴らしい俳優さんなんでしょう。 もう一人のアンドレアス・ヒンターシュトイサーを演じたフリリアン・ルーカスは、難しい岩登りのシーンも自ら演じたようで、こちらも熱心な俳優さん。いつ見ても地でやっているのではと思わせるホノボノのしたところが好印象です。 ヒロインのルイーゼ・フェルナーを演じたヨハンナ・ヴォカレクは「どこにでもいるような素朴な女の子」を演じていました。メイキングで語る彼女はチャーミング。 彼女は、近々見ようと思っている「バーダー・マインホフ 理想の果てに」に出演していて、ありちゅん※によれば、こちらがハマリ役らしく楽しみです。 一般公開を期待します この「Nordwand」は、日本では2008年のドイツ映画祭で上映されただけで、これを書いている時点で一般公開されていません。NHK教育のドイツ語講座であった監督のインタビューやDVDのメイキングなどを見ると、山岳シーンの多くは巨大な冷凍庫内のセットで行い、CGも多様しているようですが、素人目に不自然さを感じません。殺人の壁に挑む極限状態が丁寧に描かれ、見応えある素晴らしい映画だと思いますが、ハリウッドのような娯楽性がないと商業的には厳しいのかな。せめてNHK-BSあたりで放送して頂けるとありがたいのですが。でも「ノース・フェイス」ってブランド名と同じだから、NHKじゃ無理かな(てなことはないだろうけど)。2009.7.4 |
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Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介