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第14シーズン 第189話 日本未公開
Operation: Gemini(直訳:ジェミニ作戦)
ベンとゼミルは、コスター弁護士の殺人犯を捜索する。捜査は成功。被疑者を署へ同行する。ところが被疑者は覆面警官だったため、釈放せざるをえなかった。
19才のやんちゃなリザ・リヒテンベルクは、弁護士が死ぬ直前、弁護士の所持品を盗む。そしてマル秘のスキャンダラスな書類を手に入れた。リザと彼氏のパウルは、金欠だ。手に入れた書類をネタに内務省次官(注1)ヘンスマンを恐喝する。ヘンスマンは既に弁護士からも恐喝され、弁護士に対し「死刑判決」を下したことを、リザは知るよしもなかった。そして、リザも金の受け渡しの際、 殺されるに違いない。幸いベンとゼミルの懸命な救出劇により難を逃れた。ゼミルは、書類をめくってすぐに確信。ヘンスマンと共犯のグロヴィスキーが3000万ユーロを横領している!
(www.rtl.deを参考にしました)2009.9.20掲載、2009.9.26一部修正
Darsteller 出演
ゲスト出演のみ紹介●ジェニファー・ウルリッヒ(リザ・リヒテンベルク)、ミヒャエル・ゴールドベルク、カール・クランツコブスキー(旧東ドイツ高官エーゴン・グロヴィスキー)、フィリップ・ダンネ(彼氏のパウル)
Eindruck 印象
エクセレント!!
実は旧東ドイツが絡んで奥が深いのですが、画面を見ているだけでも十分楽しめます。後半、リザが救急隊員から手当てをしてもらって署を立ち去るシーンに至っても、残り7分弱の展開が全く読めません。画面に釘付けの45分間でした。
後半で、殺された弁護士がどうやって「ジェミニ作戦」の書類を手に入れたか、秘書のスザンネが調べた結果をコブラ11に伝えます。書き出せるほど聞き取りに自信がありません。日本語版に期待して下さい。
ゼミルとリザの「ジェミニ作戦」
タイトルの「ジェミニ作戦」は、第一義的には犯人らの悪事でしょう。マル秘の書類の表書きにもありました。
今回は、リザとパウルのアドベンチャーかなと思っていたら、ゼミルとリザの物語で、私には、ゼミルがリザを改心させる行為が「ジェミニ作戦」に思えます。前半で、ゼミルがリザをスーパーまで追い掛けるシーンがあります。これって、いつもなら若手の相棒の役ですよね。
ゼミルの「ジェミニ作戦」は次のような感じでしょうか。私にとって聞き取り試験なので、間違っていたらゴメンナサイ。
シナリオの補足
廃坑で、たき火をしながらゼミルとリザが話す。
リザの銀行家の父は「俺に娘はいない」と公言してはばからない。リザはリザでそんな父に意地を張っている(原因は、彼氏のパウルでない模様。逆にパウルは父娘の関係を修復しようと父の銀行を訪ねるシーンがあります)。
一方ゼミルの父は、息子を医師か技術者にしたかったらしい。ところが息子はよりによってドイツの警官になってしまった。ゼミルが悟ったとき、父は既に他界していた。
いつの世も親子の行き違いはあるもの。そこを乗り越えて、親子の絆を取り戻すように諭すゼミル(倫理の授業みたい。ゼミルの円熟ぶりを示すシーンでした)。
(中略)
危機を脱したゼミルとリザ。署を立ち去るリザに「俺が言った言葉を忘れるなよ」とゼミルが念押し。
ゼミルの言葉がリザに通じるか・・・。結果はクライマックスで。
こんな若い娘と、手に手を取って一緒に撮影ができるなんて、アタライは楽しかったでしょうね。
アクション・シーン
普段の冒頭なら、「車中でコブラ11の会話、覆面パトのそばを逃走車が追い越す。」とか、「指令が入って現場へ急行する。」などのパターンが多いのですが、冒頭から若い男女の抱擁シーンとは珍しい。それをちゃんと銃撃戦に繋げて、最後は高速道路での爆発で締めるあたりはさすが。コブラ11が乗るタンクローリーには「Altay GMBH(アルタイ有限会社)」の文字。Atalay(アタライ)にひっかけてあるのかな。
中盤の森の中でのカーチェイス、クライマックの大爆発、いずれも良かったけど、今回は特に銃撃戦の効果音が効いていました。でも一番は、股間の一撃かな。先週はベンがやられましたが、今回はゼミルでした。
ジェニファー・ウルリッヒJennifer Ulrich
衣装がとってもおしゃれ。ドイツ人は男女ともあまりファッションにはこだわらないのですが、この格好なら日本の都会で歩いていても違和感がないみたい。IMDb※(独語)を見ると出演作品が、ズラ~。出演作品に見たことがあるキラータクシー(Berlin - Eine Stadt sucht den Mörder)があったので、再度見てみたら、主人公の妹のその友達として出演。ただ今回のゲスト出演の方がはるかにカワイイ。
フィリップ・ダンネPhilipp Danne
相手の彼氏役。彼もIMDb※(独語)を見ると出演作品が多いですね。ドイツ人の男優にしては二枚目
二人とも若いけれど、演技力は十分。この番組にゲスト出演する俳優さんのプロ根性にはいつも脱帽です。
カール・クランツコブスキーKarl Kranzkowski
旧東ドイツ高官エーゴン・グロヴィスキー役。彼自身も旧東ドイツ出身らしく、ある意味はまり役かも。この方は第29話、第61話に続いて3回目のゲスト出演。典型的な脇役タイプですが、いつも明瞭な発音に好感が持てます。
DDR(ドイツ民主共和国)
サラリと「デー、デー、エル」と読んだ方は御同輩でしょう。Deutsche Demokratische Republikの略で、旧東ドイツを指します。詳しくはWiki※(日本語)に譲るとして、「ジェミニ作戦」の書類は、1989年12月25日、当時東ドイツの秘密警察(シュタージ)高官だったグロヴィスキーから、西ドイツの大臣(注1)ローランド・ヘンスマンに1500万マルク(約12億円)が送金された事を示しています。
ベルリンの壁崩壊が1989年11月9日、再統一が1990年10月3日なので、その間の混乱期に乗じて行われたらしい。
グロヴィスキーの配下、迷彩服を着た用心棒が東ドイツの国家人民軍(Nationale Volksarmee)出身であることがわかり、ベンが「同志(Genossen)」と声をかけたり、グロヴィスキーが「帝国主義(Imperialismus)」と声を上げたり、当時の東ドイツを象徴するような単語が飛び出していました。
劇場映画でも、東西に分割されていた時代を振り返る映画が近年多く作られていますが、この番組で取りあげても視聴者に受け入れてもらえる時代にやっとなったかなと思います。ここまで2009.9.28掲載
注1:シナオリの肩書きは、Der parlamentarischen Staatssekretär des Innenministeriums。
「ジェミニ作戦」の書類にはBRD(注2) Minister と書いてあります。肩書きは異なりますが、それぞれそのまま訳しました。
注2:Bundesrepublik Deutschland(ドイツ連邦共和国[西ドイツ])の略。「BRD」の言い方は主に東ドイツで使われており、当時の西ドイツでは東ドイツと区別する際、自分達の国を「Bundesrepublik」と呼んでいました。
統一の際、東ドイツが西ドイツに編入されたため、国の正式名称は「Bundesrepublik Deutschland」が引き継がれています。
1980年代の東ドイツ
東ベルリンの共和国宮殿
写真1:東ベルリンの「共和国宮殿」。国会にあたる人民会議などがあった。解体済み。
アイゼナッハでのスナップ
写真2:地方都市アイゼナッハ。東ドイツの国民車「トラバント」が並ぶ。
東西ドイツ国境
写真3 東西ドイツ国境。東ドイツが築いた鉄条網を西ドイツ側から見る。当然今はありません。
Nachtrag 追記
大人のベン
今回は、これで一丁上がりと思って読み返したら、ベンについて書いてなかった。ベンの見せ場も多かったのに、これじゃベンのファンに叱られちゃいそう。
今回はベンとゼミルの役割が全く逆でした。キレて隊長室に怒鳴り込んだゼミルを諫めたり、ゼミルに指図したり、どっちが先輩か分からない。
また、ダム湖に落ちてしまい、う~ん、死ぬことはないだろうと分かっていても心配。
そして珍しくSEK(特殊機動部隊)と同じ服を着ていました。
いかがでしょう。これくらい書けばベンのファンにも許してもらえるかな(笑い)。2009.10.1
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Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介