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私が見たドイツ映画 | |||||||||||||||||
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Der Baader Meinhof Komplex | ||||||||||||||||||
バーダー・マインホフ 理想の果てに | ||||||||||||||||||
08/独/ドイツ語字幕/ドイツ語版/143分 監督:ウリ・エデル 出演:マルティナ・ゲデック、モーリッツ・ブライブトロイ、ヨハンナ・ヴォカレク 解説:ドイツ赤軍(RAF)の1967年から77年までの10年間を描く、ドキュメンタリー・タッチの闘争史。 |
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ドイツから取り寄せたDVDと映画本で見ました。DVDはドイツ語字幕が出るので嬉しい。 第186話で紹介した「Mogadischu」で描かれている「ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件」に至る背景がこの映画でよく分かります。 映画についての詳細はありちゅん※が詳しく書かれているので、そちらをご参考に。 当時の史実を出来るだけ忠実に映像に残しておきたいとの監督の意志が一貫しています。結論から言うと、娯楽性は少ないので万人におすすめしません。ただ演出が控えめな分、かえってドキュメンタリー・タッチの銃撃や爆破シーンは、リアリティをもって迫ってきます。撃たれる側の恐ろしさがよく出ており、自分まで撃たれているようで、身の毛がよだつ気分。ドイツに関心がある方は、この歴史を知っておいて損しないと思います。 バーダーらと共に収監されるヤン=カール・ラスペ(映画本の右下)を演じたニールス・ブルーノ・シュミット(同左から3列目一番下)は第22話に出演。この回ではふっくらしているので、映画を見てもシュミットとは気づきませんでした。ラスペを演じるために減量したんでしょうか。ちなみに彼は第103話、第156話にも出演。 そうそうたる出演陣。私が驚いたのは、実際の犯人らによく似ていること。映画本の左から2列目が本人。左端の列が演じた俳優。上から、アンドレアス・バーダー役モーリッツ・ブライブトロイ。とても演技だと思えないリアリティが出ていました。監督は、「バーダーを演じられるのはブライブトロイだけだ」と言っていますが同感です。 ウルリケ・マインホフ役マルティナ・ゲデック。知性的な女性が犯罪者からさらに発狂者へと変わっていく様子がよく出ていました。難しい役をなんなく演じるゲデックに感服。 グドルン・エンスリン役ヨハンナ・ヴォカレク。主演女優賞をあげたい当たり役。「ノース・フェイス - アイガー北壁」で素朴なヒロインを演じた同じ女優とは信じられない。 ペトラ・シェルム役アレクサンドラ・マリア・ララ。「ヒトラー ~最期の12日間~」で清楚な秘書を演じていましたが、ますます魅力的になったみたい。出番が少ないのが残念。 女性の場合は、メイク効果もあると思いますが、よく似た実力派の俳優をこれだけ揃えられたものだと仰天。他にも、大御所のブルーノ・ガンツ。「ドイツのブルース・ウイルス」ハイノ・フェルヒなど、他にも見たことのある俳優さんが次々に登場。迫真の演技に見とれてしまいました。第87話・第119話でボンラートの息子ヨッヘン役を演じたヨナ・ムエスの名前もありますが、気づかなかったな~。 143分と、テレビ・ドラマ45分番組の3本分以上もありますが、私の語学力でもあまり長さを感じないまま、最後まで一気に見てしまいました。 Demagogie(ドイツ語学習者向け記事) 冒頭のTV番組でマインホフの発言に登場。発音は「デマゴギー」。何を今更と笑われそうですが、恥を忍んで書かせてください。もしやと思ってネット検索したら、はてなキーワード※にありました。「デマゴギー(Demagogie:ドイツ語)の略。扇動(せんどう)や扇動政治(せんどうせいじ)を意味する。日本では、昭和初期頃より「デマ」という略語で使われるようになったらしい。一般的には「悪意を持って広められる噂話」など、「何らかの意図を持って流布される偽情報」の意味として使われる。」とあります。何気なく使っていましたが、語源はドイツ語だったんですね。 2009.7.19 |
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ロケ地探訪で偶然にもこの映画のセットに出会えました。詳しくはロケ地探訪3>3-3.Bavariafilmstadt バヴァリア映画村をご覧下さい。 | ||||||||||||||||||
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Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介