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アウトバーンコップ | ||||||||||||||||
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アラーム・フォー・コブラ11/アウトバーン・コップ 邦版第1話 不意に来る死 | |||||||||||||||||
第21シーズン 第289話 Tod ohne Warnung(直訳:無警告の死) | |||||||||||||||||
中盤、クライマックスの銃撃戦にあ然 | |||||||||||||||||
Episodebeschreibung シナリオ | |||||||||||||||||
ゼミルとパウルは、若い母ニーナ・ベルグマンとその娘ミリアムの殺害を躊躇しない冷徹な狙撃手から、二人を救う。 |
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Darsteller 出演 | |||||||||||||||||
カーリン・ハンツェヴスキー(ニーナ・ベルグマン)、ノミー・ライネ・トゥカー(娘ミリアム)、マティアス・レーヤ(駐在武官トルステン・シュラーダー)、テレーゼ・ヘーマー(財団理事長ビアンカ・ノヴォンティ)、リザ・フォルツ(パウルの元彼女ニコル)、ユリア・ベーアホルト(セーブ・へーブンの心理学者)、ウルリッヒ・ブランドホフ(狙撃手ラース・キルクマン) | |||||||||||||||||
Eindruck 印象 | |||||||||||||||||
1.インターネットでドイツ語版を見た印象 2016.11.16 | |||||||||||||||||
面白い中に、社会的なテーマを感じる 冒頭、大型車の凄まじいクラシュ。中盤の緊迫した銃撃戦。クライマックスでは、ゼミルがサーカスまがいのアクションと、恥ずかしながら口をぽかんと開けて見てしまいました。無料で見られる45分番組でここまでやってくれれば十分でしょう。 今回のシナリオには、社会的なテーマを感じます。ニーナ・ベルクマンに「ベビーシッターは高いから頼めない。」と語らせたり、「武器輸出は内戦を終わらせるためであっても、銃口を向けられる側にとっては恐怖でしかない。」という意図を感じます。ゲストや主人公らが照準器の十字線に映るシーンは、罪のない市民に銃口を向けたイメージを受けます。単なるアクション刑事番組で終わらせなかった制作者の意気込みを感じ、最高点をあげたい。 ただ本筋の事件は、私の語学力ではお手上げ。今回は「シナリオの補足」までたどり着けませんでした。概ね次ような内容だと思います。かなり憶測も含むので、間違っていたらゴメンナサイ。 ●4年間にアフリカ・マリへ仕事で渡ったニーナは、そこで娘ミリアムを授かった。ところが内戦が勃発。娘と共に命からがらドイツへ帰国。現地人の夫も出国ビザを得たかったが、警察が大使館を封鎖したためダメだった。それ以来、娘ミリアムはヘッドフォンを手放さないとこのと。 ●駐在武官トルステン・シュラーダーは、正式ルートでマリへ武器輸出をしつつ、ビアンカ・ノヴォンティの財団を通じて密輸出していたらしい。 ●そんな「裏がある商談」を国際会議でしようにも、マリの事情に通じたニーナが通訳だとまずい。 恐らく駐在武官シュラーダーは、ニーナを殺す意図など無かったはず。武器を積んだ船が出航するまで、ニーナを避けておけばよいので。ところがニーナから立ち聞きされてしまい、更には冒頭の、トラックのタイヤをパンクさせ、交通事故に見せかけた殺しも失敗。駐在武官シュラーダーにとって状況は悪化。高速警察隊の出番となるわけです。 (中略) ●隊の取調室。コブラ11は、駐在武官シュラーダーに問いかけますが、シュラーダーはオフィシャルな内容に終始。いよいよこれから攻めるぞというところで、コブラ11の宿敵シュランクマン検事が登場。 コブラ11は、駐在武官シュラーダーを攻められないので、代わりに財団理事長ビアンカ・ノヴォンティをしょっ引きに向かいます。そこには誰かが撃たれて倒れているけど、直ぐに映さない演出はニクイな~ ロケ地探訪 ベルクマン親子の住まい Kaiser-Wilhelm-Ring 6 - 8, 50672 Köln Kapital1の7分過ぎ、ベルクマン母娘の住まいをコブラ11が訪問。窓からはキリスト教会とテレビ塔が見えます。教会塔から母娘が狙われる設定は、「第208話」でもありました。その回の母娘の住まいは教会の対面でしたが、今話はもう少し距離があるみたい。地図はロケ地探訪第六弾に掲載しました。 |
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写真289-1 2015春撮影 | 写真289-2 2015春撮影 | ||||||||||||||||
まず「キリスト教会とテレビ塔」のツーショットを探したところ、構図は全く違いますが、2015年春のロケ地探訪でありました(左写真)。次にベルクマン親子の住まい。番組では、掃き出し窓の先のバルコニーに腰高の手摺りが見えます。カイザー=ヴィルヘルム=リンクにあるビル(右写真)の上層階のようです。 フローラ Flora Kapital1の7分過ぎ、隊のゼミルとパウルの執務室で、ベルクマンが会議場での出来事を回顧するシーン。番組では「ボンにある国際会議場」だと、秘書のスザンネが説明していましたが、これに惑わされてはいけません(笑い)。ロケはケルンにあるフローラ。ロケ地探訪第三弾その2>32-7 フローラ |
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写真289-3 2013春撮影 | 写真289-4 2013春撮影 | ||||||||||||||||
私が2013年春に訪れたときは修復工事中。150周年の2014年に竣工したらしい。左写真は建物の正面で、右手に回った建物側面に玄関があり、右写真の配置図に示した赤丸がロケ場所。美しく再生された建物を次回は見に行ってみたい。地図はロケ地探訪第六弾にも掲載しました。注1 ノイラート火力発電所 Kraftwerk Neurath ケルンから西へ35km、グレーヴェンブローホGrevenbroichにある発電所。 Kapitel1の17分48秒の構図とほぼ同じ画像がWiki.de(※、独語)にあります。同サイトによれば、ドイツでもっとも大きい発電所とのこと。1970年に造られた5基の敷地と、2012年に増設された2基の敷地は、道路を隔てて別れていて、両者の設備は跨道橋でつながっているようです。画面では新設の2基と跨道橋が主に映っていました。注2 ゴルフ練習場 Tincup Hürth kapietl2の7分前後、コブラ11は射撃場にパウルの元彼女?ニコルを訪ねます。背後には前話で「アタリ」を付けたAuf dem Kölnberg in Meschenichの高層住宅が見えます。「コリャ、簡単に探せそう。」と意気揚々と「射撃場Schießplatz」で検索しても屋内施設しかヒットせず尋ね当たりません。もう一度番組を見直すと、グリーンが広がってゴルフ練習場みたい。もしやと思って「ゴルフ練習場」で検索したらビンゴ! よくよく考えてみたら、民間がこんなオープン・スペースで射撃をやっていたら、安全面で問題ありそう。恐らく警察の管理された敷地内の一角という設定かな。注3 UCT Neuss コンテナ・ターミナル Umschlag Container Terminal
クライマックスのアクションシーンは、どこのコンテナ・ターミナルでしょうか。これまでもコンテナ・ターミナルはたびたびロケ地になっていますが、本格的な「捜査」は今回が初めて。Kapitel3の8分16秒左手遠方にTV塔が一瞬写ります。あまりに小さくてケルンのColoniusか、デュッセルドルフのRheinturmか判別がつきません。いろいろ検索したところデュッセルドルフの西、ノイスNeussにあるコンテナ・ターミナルだと判明。ドイツ鉄道の旅客列車がダメ押しでした。ちなみにケルンのコンテナ・ターミナルの横は貨物線。 右写真は、ラインタワー(ロケ地探訪1>1-6 ラインタワー)から2011年春に撮影。右上、ライン川の先にÖlgangsinselエールガングスインゼル(油路島)という自然保護区があり、その先の赤丸にクライマックスのロケ地として使われたコンテナ・ターミナルがあります。 今回のドイツ語 Anne kaffeekanne 冒頭、パウルから声をかけられたミリアムが聞いていた曲が、ヘッドフォンから漏れます。 もう15年ほど前になりますが、NHKラジオ第2放送ドイツ語講座で「歌で楽しむドイツ語」がありました。ドイツ語の歌を覚えて勉強しようという趣向で、この講座のお陰で何曲か覚えました。当時、「童謡ちょうちょ」の原曲はドイツの古い童謡「Hänschen klein(小さなハンス)」、明治時代の小学唱歌「霞か雲か」は同じく「Alle Vögel sind schon da(小鳥がみんなやって来た)」など、こんな曲もドイツをルーツとする曲だったのかと驚いた事を思い出します。この曲も覚えやすそう。 |
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注2:2017年春、ノイラート火力発電所へ。巨大なのでケルンの中心部からも見えるという、おまけの発見も。ロケ地探訪第七弾その1>71-4 ノイラート火力発電所 注3:ゴルフ練習場 Tincup Hürth ロケ地探訪第七弾では、ここを目指しナビに従ってレンタカーで走ったものの通り過ぎちゃいました。右はドライブレコーダーの画像。「Tincup」と書かれた看板が確認できます。航空写真と見比べながら、ドライブレコーダーの記録画像を見ると、迷いながら走った様子がトレースできて、旅を何倍も楽しんでいます。 2017.7.18追記 |
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2.ネット配信で日本語字幕版を見た印象 2020.6.28 | |||||||||||||||||
●聞き取りテスト結果は20点 GYAO!(※)で見ました。 |
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趣味の語学力なので、50点を超える点数はありえません。特にレギュラーメンバー同士の「立て板に水のように早口で、生きたドイツ語」が厳しい。この番組の聞き取りは、平均35点くらいかな。 以上をもとに、今回の11本の日本語字幕版を見ながら自己採点してみます。自己採点なので少々甘くなることはご容赦ください。 今話のドイツ語版を見たとき、30点くらいかなと思っていましたが、日本語字幕版を見ると聞き取れていなかったところが多く、聞き間違っていたところもあり、自己採点は20点。 一方、日本語字幕には文字数の制限で表現できていない箇所が聞き取れたりすると、語学をやる醍醐味を感じます。上の「ドイツ語版を見た印象」は当たらずとも遠からずなので参考程度に、日本語版で今話の本当のシナリオを楽しんでください。 ●画面を楽しめる ドイツ語版では聞き取りに集中するため、なかなか画面を楽しめませんが、日本語字幕版は、ビールを飲みながらでも気楽に楽しめていいな。 「悪」に対して鼻が利くのか、ゼミルとパウルの鋭い洞察力が事件の真相に向かいます。加えてシュランクマン検事から打ちのめされても、めげないバイタリティーが見てて爽快。 次に、気になったゲスト出演者を紹介。 ●パウルの元彼女ニコル役リザ・フォルツLisa Volz 素敵な女優さんですね。他に出演作品がないかなと思って調べたけど、あまりTVには出ないようで残念。 ●娘ミリアム役ノミー・ライネ・トゥカーNomie Laine Tucke 段々とパウルに心を開いていきます。クライマックスに見せる表情がよかった。番組設定ではフランス語が公用語のマリ生まれですが、後半では綺麗なドイツ語は話していました。本人はドイツ生まれかなと思って、プロフィールを調べましたが尋ね当たりません。 ●ゼミル役エルドゥアン・アタライ アタライは、ゼミルを演じるために生まれたのではと思えるほど、はまり役。30分44秒隊舎の取調室で、駐在武官シュラーダーはゼミルの切り込みに観念したのか席に着きます。このときゼミルがみせる「やった!」という表情がニクイ。さすが年季の入った役者さん。 クライマックスのコンテナ・ターミナルでのアクションシーンは、格好良すぎ。 ●ドイツらしいドラマ 商業的には、米ドラマのような作りが日本でも受けがいいでしょう。でもその二番煎じでは、ドイツの俳優さんでは目立たず埋もれてしまうので、ドイツらしい質の高さを前面に出した方が得策。 ・改めてドイツの俳優さんのプロ根性が素晴らしい。とってつけたよう「演じ」がありません。幼いミリアムの演技も自然。 ・アクションコンセプト社のアクション・シーンは折り紙付き。加えて銃撃の効果音がよかった。クライマックス、広いコンテナヤードに射撃の音が響き渡ります。ロケでは空砲でしょうから、後付けのハズ。 日本語字幕を読みながら、ドイツ語のしゃべりを聞くと、逆にドイツ語の意味も取れて勉強になります。45分のTVドラマとは思えない完成度の高さだからそこ、繰り返し見ました。 |
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Seit 11.Feb.2003 Happiness裕之介